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(スペイン民法)                 元司法書士 古閑次郎

(平成27年3月見直し修正)

第1編 第1章:スペイン人と外国人

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1. 次の者は生来の(de origen)スペイン人である:

① スペイン人である父または母の子。

② 外国人である父母からスペインで出生した子で、父母の一方が少なくともスペインで出生した場合。スペインで信任された外交官または領事の子は除かれる。

③ 外国人である父母から出生した子で、父母の両方とも国籍を欠くとき、または、両者のいずれの法制も子に国籍を付与しないとき。

④ その親子関係が確認されないスペインで出生した子。これについては、未成年者でその知れたる最初の居住地がスペイン領内にある者はスペイン領内で出生したものと推定する。

2. スペインでの親子関係または出生は、その確認(determinación)18歳以降になされると、それら自体では、スペイン国籍取得の事由とはならない。その場合、当事者は、その確認から数えて2年以内に生来のスペイン国籍を選択する権利を有する。

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善意でかつ身分登録簿に登録された権原に基づいてスペイン国籍を10年間に亘り継続して持って利用していると、それは、権原が取消されても、国籍を固定化する事由である。

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1. スペイン人と養子縁組した18歳未満の外国人は、養子縁組のときから生来のスペイン国籍を取得する。

2. 養子が18歳以上の場合、養子縁組設定から2年以内に生来のスペイン国籍を選択できる。

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1. (次の者は)スペイン国籍を選択する権利を有する:

① あるスペイン人の親権に服している、または、服していた者。

② その者の父または母が生来的にスペイン人でかつスペインで出生した場合のその者。

③ 第17条第2項および第19条の第2項に該当する者。

2. 選択の宣言は(次の者により)なされる:

14歳未満または無能力者である選択者の法定代理人。この場合、選択には、検察庁の事前の意見を聴いての宣言者住所地の身分登録所の責任者の認証が必要である。この認証は未成年者または無能力者の利益のため譲与される。

② 法定代理人に補佐された当事者自身。その当事者が14歳以上であるとき、または、無能力者であるが無能力(とした)判決でそう許可されているとき。

③ 親権解放された場合、または、18歳以上である場合、当事者自身。選択権は20歳で満了する。しかし、選択者が18歳になったときにその属人法では親権解放されていない場合は、選択期間は親権解放から2年経過するまで延長される。

④ 完全な能力を回復したときから2年以内に当事者自身。③に従って選択権が満了している場合は除かれる。

3. 前項の規定に係わらず、選択権の行使は、本条の第1項②で規定する選択権は年齢制限には服しない。

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1. スペイン国籍は、当事者に例外的事情があるときは、勅令(Real Decreto)により裁量的に授与された帰化許可書により取得される。

2. スペイン国籍は、また、次条で示す条件がある場合、法務省の譲許でもって、スペイン内での居住により取得される。法務省は公序または国益の正当事由でその譲許を否認できる。

3. 上記の場合、(次の者は)申請することができる:

① 親権解放者または18歳以上の者。

14歳以上の者、法定代理人の支援を受けて。

14歳未満の者の法定代理人。

④ 無能力者の法定代理人、または、無能力の判決の結果に従って、無能力者が自身でもしくは正当に支援を受けて。

③と④の場合、法定代理人は、前条の第2項①での規定に従って事前に認証を得たときのみ申請することができる。

4. 帰化許可書または居住による譲許は、その通知から180日内に当事者が第23条の要件を満たすため管轄する公務員の前に出頭しないときは、効力を失う。

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1. 居住による国籍の譲許には、その居住が10年続いたことが必要である。難民の地位を得た者は5年で充分で、中南米諸国、アンドラ、フィリピン、赤道ギアナ、ポルトガルまたはスペイン系ユダヤ人の国の本来の国民は2年で充分である。

2. 1年の居住期間で充分な者は:

① スペイン領内で出生した者。

② 選択権を適時に行使しなかった者。

③ 適法にスペイン市民または(保護)機関の後見、監護または保護に2年間継続して服していた者。申請時にこの状況にある場合を含む。

④ 申請時にスペイン人と婚姻して1年経過している者で法定または事実上の別居状態にない者。

⑤ スペイン人であった者の寡夫(婦)で、配偶者の死亡時に法定または事実上の別居状態になかった者。

⑥ 父または母、祖父または祖母が生来的にスペイン人であった場合のスペイン外で出生した者。

3. 全ての場合、居住は適法であり、継続し、かつ、申請の直前でなければならない。

  前項の④の規定のためには、外国で信任されたスペイン外交官もしくは領事と生活する配偶者はスペインに適法な居住を有するものとみなす。

4. 当事者は、身分登録法規定の書類でもって市民としての善行とスペイン社会への充分な同化(integración)度合いを示さなければならない。

5. 居住による国籍の譲許または否認は行政訴訟の裁判手段を除外する(dejar a salvo)

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(次の事項は)選択、帰化許可書または居住によるスペイン国籍取得を有効にする共通要件である:

14歳以上で、国王に忠誠をつくし、憲法および法令を尊重することを誓う、または、約束する宣言を自身でなす能力があること。

② 前国籍を放棄する宣言をなすこと。第241項に述べる国の国民はこの要件は適用されない。

③ 取得をスペイン身分登録簿に登録すること。

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1. 外国に常居所を有し、任意に他の国籍を取得した、または、親権解放前に付与された外国籍を排他的に使用している親権解放者はスペイン国籍を喪失する。喪失は、それぞれ外国籍の取得時または親権解放の時から3年経過すると、生じる。しかしながら、当事者は、身分登録の責任者にスペイン国籍留保の意思を当該期間内に宣言することで喪失を免れることができる。

  中南米諸国、アンドラ、フィリピン、赤道ギアナまたはポルトガルの国籍取得は、本項に従って生来的スペイン国籍の喪失させることとはならない。

2. 全ての場合、明示的にスペイン国籍を放棄したスペイン人である親権解放者は、他の国籍を有し、かつ、外国に常居所を有している場合、スペイン国籍を喪失する。

3. 外国で出生し居住して、スペイン人である父または母の子であることでスペイン国籍を表明している者、また、外国で生まれた者は、居住するその国の法律でその国の国籍を付与されると、成年となったときまたは親権解放時から3年内に身分登録の責任者にスペイン国籍留保の意思を宣言しないと、全ての場合、スペイン国籍を喪失する。

4. スペインが戦争状態にあるときは、この規定の効力によって、スペイン国籍を喪失しない。

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1. 生来的スペイン人ではないスペイン人は(次の場合)国籍を喪失する:

① スペイン国籍取得時に放棄を宣言した国籍を排他的に3年間使用している場合。

② スペイン政府の明示的禁止に反して外国で軍事または政治活動に任意に加担する場合。

2. 当事者がスペイン国籍取得において不実表示、隠避または詐欺を働いていたとの確定判決は、たとえ、善意の第三者に対する加害効果を国籍取得が引き起こすことがなくとも、その取得を無効にする。無効請求権は検察庁が、職権または告発により、15年の期間内に行使しなければならない

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1. スペイン国籍を喪失した者は次の要件を満たすことで回復することができる:

① スペイン内で適法な住民であること。この要件は(外国への)移住者または移住者の子には適用されない。その他の場合、例外的事情を満たすときは、法務省が(この要件を)免除することができる。

② スペイン国籍の回復意思を身分登録所の責任者の面前で宣言すること。

③ 身分登録簿に回復の登録をすること。

2. 前条の規定のいずれかに抵触する者は、場合によっては、政府がその裁量で譲許する事前の資格付与なしにはスペイン国籍を回復もしくは取得することはできない。

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 外国人は、スペイン人が享受すると同じ権利を、特別法および条約の規定を除いて、スペイン内で享受する。

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 法律で認められ、かつ、スペインに定住する会社、財団および組合(asociaciones)は、本民法典の規定に従って法人格を有する場合は、スペイン国籍を享受する。

  外国に住所を有する組合は、スペインでは条約もしくは特別法が決める待遇(consideración)と権利を持つ。