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(スペイン民法)                   元司法書士 古閑次郎

(平成27年3月見直し修正)

第1編 第6章:親族間の扶養(料)(alimentos)

142

糧、住居、衣服および診療看護のために不可欠なもの全ては扶養(料)とみなす。

扶養には、被扶養者が未成年者である間およびその後でも自己の責めに帰せざる事由でその(自己)形成が終わっていないときは、被扶養者の教育が含まれる。

扶養(料)には妊娠・分娩の費用が、他の方法では賄えないときは、含まれる。

143

前条が示す程度に扶養(料)を互いに与えることは(次の者間では)義務である:

① 夫婦の間

② 尊属と卑属の間

  兄弟の間は、被扶養者の責めに帰さない事由によって扶養(料)が必要なとき、その生存に必要な援助にのみ義務があり、場合によっては、教育に必要な扶養(料)に拡張される。

144

扶養(料)の請求は、それを提供する者が2人以上あるときは、次の順序でする:

① 配偶者に。

② 最も近い親等の卑属に。

③ 最も近い親等の尊属に。

④ 兄弟に、しかし、弟または半血である者は最後に義務を負う。

 卑属と尊属間では、扶養権利者の法定相続に呼ばれる順番による段階調整がなされる。

145

扶養提供の義務が2人以上の者に帰するときは、それらの者の間にそれぞれの資力に比例した額で扶助料の支払い(義務)が分配される。

しかしながら、緊急の必要の場合、および特別の状況によって、裁判官はそれらの者の1人に暫定的に扶養提供義務を、この者が他の義務者にそれらに対応する部分を請求する権利を害することなく、課すことができる。

2人以上の被扶養者が同時に一人の同じ扶養義務者に請求し、この者が全員を満足するに充分な資力を有していないときは、競合する被扶養者が配偶者および親権に服する子である場合(このときは、子が配偶者に優先する)を除き、前条の順番が保持される。

146

扶養(料)の量は、それを提供する者の資産または資力(medios)およびそれを受ける者の必要性に比例する。

147

前条に関係する場合の扶養(料)は、被扶養者の必要性および扶養提供者の資力が減少または増加することに比例して減少または増加する。

148

扶養提供は、扶養権利者が生存のためにそれを必要とするときから請求できる。しかし、請求日からしか支払われない。

  支払いは数ヶ月前払いで実行され、被扶養者の死亡の場合、その相続人は被扶養者が前受けしたものを償還する義務はない。

  裁判官は、被扶養者または検察庁の申立てで、公的機関(Entidad pública)または他の者がなす前払いを担保するため、および、将来の必要性に備えるために適宜な保全処分を緊急に命じる。

149

扶養提供義務者は、その選択により、設定される扶助料を支払って、または、その権利者を自己の家に受入れ保護して、扶養を満足させることができる。

  準拠法によりまたは裁判所の決定により被扶養者のために決定された共同生活の状況が矛盾する場合は、後者の選択はできない。また、その選択は、正当事由があるとき、または、未成年者である被扶養者の利益を害するときは、否定され得る。

150

扶養提供義務は、たとえ、ある確定判決の履行として提供していても、義務者の死亡により止む。

151条 

扶養の権利は第三者に放棄または譲渡できない。被扶養者が義務者に負っているものと相殺することもできない。

  しかし、遅延した扶養扶助料は相殺および放棄でき、また、その遅延扶助料の請求権を有償または無償名義で譲渡できる。

152

扶養提供義務は(次の場合)止む:

① 扶養者の死亡。

② 扶養義務者の資力が、自己の必要性およびその家族の必要性をなおざりにしなければ扶養を満足することができない程度まで減少したとき。

③ 被扶養者が、仕事、職業または実業をなし得るとき、または、その生存のために扶養扶助料が必要でない程度に職を得、もしくは、資力が改善したとき。

④ 必然相続人であるかなしかに係わらず、被扶養者が相続人排除に該当する犯罪(falta)の一つを犯したとき。

⑤ 被扶養者が扶養義務者の卑属であるときで、その者の必要性が非行または仕事に就かないことに起因していて、その事由が継続しているとき。

153

前各条の規定は、本法、遺言または約定により扶養の権利を有するその他の場合に適用される。但し、特別の場合について約定、遺言者の命令または法律による規定がある場合を除く。