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(スペイン民法)                   元司法書士 古閑次郎

(平成27年3月見直し修正)

第1編  7章:親子関係

(第1節:総則)

154

親権解放されていない子は、その父母(progenitores)の支配力(potestad)の下にある。

親権は、常に子の利益のために、子の人格に従って、その身体的・精神的完全無欠性(integridad)に関して行使される。

この親権は次の義務と権能を包含する。

① 子を庇護し、共に居住し、糧を提供し、教育し、そして独り立ちできるようにする。

② 子を代理し、その財産を管理する。

 子が充分な判断力を有しているときは、子に影響する決定をなす前に常に子の意見を聞かなければならない。

 父母はその親権行使において当局の援助を求めることができる。

 (本条は、20071228日法律54号国際養子縁組法で改定。同年同月30日発効)

155

子には次の義務がある:

① 父母に、その親権の下にある間は、従い、そして常に尊敬する。

② 家族と一緒に住んでいる間は、その能力に応じて公平に家庭の債務の弁済に貢献する。

156

親権は、両親が共同して、または、一方が他方の明示的もしくは黙示的同意で、行使される。社会慣習および状況に従い、または、緊急に必要な状況では、一方がなす法律行為は有効である。

不一致の場合、両人のどちらでも裁判官に申立てできる。裁判官は、子が充分な判断力がある場合、および、12歳以上であるときは(全ての場合)、その子と両親を聴聞し、決める権能を父または母に与える(この裁判官の決定には上訴できない)。不一致が繰り返され、または、親権の行使をひどく妨げる他の事由が発生する場合は、裁判官は、父母の一方に親権の全部もしくは一部を与えることができ、または、その権能を父母のあいだに配分できる。この措置は2年間を越えない一定の期間有効である。

前各段の場合、善意の第三者については、両親の各々が他方の同意を得て親権を通常行使していると推定する。

父母の一方が欠けているとき、または、行方不明、無能力もしくは(行使)不能のときは、親権は他方が排他的に行使する。

父母が別居しているとき、親権は子と同居している者が行使する。しかし、裁判官は他方の理由つき申立(a solicitud fundada)により、子の利益のため、(同居)他方の親と共同して行使するために申立人に親権を付与できる、または、父と母のあいだに親権行使に特有な機能を分配できる。

157

親権解放されていない未成年者は、その者(自身)の子の親権を、父母の援助を得て、行使する。父母がいない場合は、後見人の援助、不一致または(行使)不能の場合は、裁判官の援助を得て行使する。

158

裁判官は、職権で、または、子自身、(各)親族もしくは検察庁の申立で、(次の事項を)命じる:

① 扶養(料)提供の確保および子の将来の必要へ備えるため、この義務を父母が履行しない場合、相当な措置。

② 監護権者変更の場合、子が有害な動揺(perturbaciones)を避けるための適当な措置。

③ 親のどちらか一方または第三者による未成年者たる子の奪取を避けるために必要な措置、特に、次のもの。

  (a) 前もっての裁判所の許可がある場合を除く、出国禁止。

  (b) 未成年者へのパスポートの発給禁止または既発給のパスポートの回収。

  (c) 未成年者の住所の変更は事前の裁判所の許可を必要とする措置。

④ 一般に、未成年者を危険から遠ざける、または、害を避ける目的で適宜と考えられるその他の措置。

これらの措置は、いかなる民事的または刑事的裁判の中で、または、非訟管轄手続の中で取ることができる。

159

父母が別居しており、共通の同意で決めない場合は、裁判官が、常に子の利益のため、どの親の監護の下に未成年者たる子を置くか決定する。この措置を取る前に、裁判官は、子が充分な判断力を有するとき、および、子が12歳以上のときは(全ての場合)、子の意見を聞く。

160

親は、親権を行使していなくとも、裁判所の裁決に従って、他方の養子を除いて未成年者たる子と関係を持つ権利を有する。

正当な事由なしに子とその祖父母および他の親族・親類との個人的関係を妨げることはできない。

対立する場合、裁判官は、未成年者、祖父母、親族または親類の申立てで、その状況に留意して解決する。特に、祖父母と孫の間の関係を助長するために設定される措置が、子とその親のどちらかとの関係を制限または中断する裁判所の決定を害しないようにしなければならない。

161

(施設に)収容された子について、父母、祖父母およびその他の親族が子を訪問する権利および子と関係を持つ権利を、未成年者の状況および利益に留意して、裁判官は設定または中止することができる

(第2節:子の法定代理)

162

親権を有する父母は親権解放されていない未成年者であるそれらの子の法定代理権を有する。

  次の場合は除かれる:

① 人格権に関する行為、または、子が法律(に従って)およびその成長に従って自身でなすことができる他の行為。

② 父母と子の間で利益の抵触がある行為。

③ 父母の管理から排除されている財物に関する行為。

子に個人的給付を義務つける契約締結には、第158条の規定は別として、子が充分な判断力を持っているときは、子の事前の同意が必要である。

163

ある事件において父母の利益が親権解放されていない子の利益に反するときは、子に裁判上および裁判外で子を代理する保護者(defensor)が指名される。また、父母の利益が、父母による能力補完が必要な親権解放された未成年者である子の利益に反するときも指名手続が取られる。

親の一人のみとしか利益の抵触が存しない場合は、未成年者を代理する行為またはその能力を補完する行為は、法律によりおよび特別の指名を要せず、他方の親に帰属する。

(第3節:子の財物とその管理)

164条 

父母は、全管理者の一般的義務および抵当法で規定された特別の義務を履行して、自己のものに対すると同じ注意を持って子の財物を管理する。

  次のものは親の管理(administración paterna)から除かれる:

① 無償名義で(子が)取得した財物で処分者が明示的に(除くように)命じた物。これらの物の管理とその果実の運命については処分者の意思が厳格に履行される。

② 親権を行使する親の一方または両方が適法に相続廃除された場合(の相続で)、または、相続欠格の事由で相続できなくなった場合の相続で(子が)取得した財物。これらは、被相続人が指定した者により管理され、それがない場合は、他の親により、それもないと、特別に指名された裁判上の管理人(administrador judicial)により管理される。

16歳以上の子がその労働または技能(industria)でもって取得した物。通常の管理行為は子がなすが、それを超える行為に対しては父母の同意が必要である。

165

子の財物の果実は常に、その労働または技能により取得する物と同様に、親権解放されていない子に属する。

しかしながら、父母の両方とまたは一方と同居している未成年者の果実を、父母は家庭債務弁済に、その子に相応する部分で、向けることができ、父母はそのような所用で消費されたものの勘定書を交付する義務はない。

  この目的のために父母が管理していない財物の果実が適当な手段で父母に引渡される。前条の①と②が関係する財物の果実、および、教育もしくはキャリア形成のため子に特別に贈与または残された物は除かれる。しかし、父母に資力がない場合は、父母は、裁判官に公平に基づく部分の引渡しを請求できる。

166条 

父母は、子が名義人である権利を放棄できない、また、株式の優先引受権を除いて、子の不動産、商業または工業施設、貴重品および無記名証券(valores mobiliarios)を譲渡または担保に供することはできない。しかし、利用または必要の正当な事由により、かつ、検察庁の意見を聞いて、住所地裁判官の事前の認証でもってそれらをすることができる。

父母は、子に移譲された(deferido)相続または遺贈を放棄するには裁判所の認証を求めなければならない。裁判官が認証しない場合は、相続は限定承認のみできる。

未成年者が16歳に達して、公署証書で同意する場合は、無記名証券の譲渡についてはその総額を財物または有価証券に再投資するときは、裁判所の認証は必要ない。

167

父母の管理が子の財産を危機に置くときは、裁判官は、子自身、検察庁または未成年者の親族のいかなる者の申立により、財物の安全と管理のため必要と思われる処分を取ることができ、(父母の)管理継続について担保または保証金を要求でき、または管理人を指名できる。

168

親権の終了時に、子は、それまでその財物に行使された管理の計算の提供を父母に請求できる。この義務の履行を要求する請求(訴)権は3年で時効にかかる。

故意(dolo)または重過失(culpa grave)での財物の滅失もしくは損傷の場合、父母は被った損害賠償の責めに任ずる。

(第4節:親権の消滅)

169

親権は(次の場合)終了する:

① 父母もしくは子の死亡または死亡宣告。

② (子の)親権解放。

③ 子の養子縁組。

170

親権に付随する義務の不履行に基礎を置く判決により、または、犯罪もしくは婚姻の事由で宣告された判決により父または母から親権の全部もしくは一部を剥奪することができる。

裁判所は、子の福祉または利益のため、親権剥奪の事由が止んだときは親権回復を承認することができる。

171

無能力者であった子についての親権は、法律上当然に、子が成年に達するまで延長される。父母またはその一方と同居している独身の成年である子が無能力者になると、子が未成年である場合に行使すべき者の親権が回復する。これらの2の方式のいずれかで延長された親権は、無能力の(裁判所の)決定で、また、補充的に本章の規則で、特別に規定された事項に従って行使される。

延長された親権は(次の場合)終了する:

① 両親もしくは子の死亡または死亡宣告。

② 子の養子縁組

③ 無能力の停止宣告。

④ 無能力者の婚姻。

延長された親権が停止するときに無能力状態が続く場合は、適当な後見または保佐が設定される。

(第5節:養子縁組および未成年者の保護の他の方式)

(第1款:未成年者の監護と収容(acogimiento)

172

1. 未成年者保護を(各々の地域で)委任された公共機関(entidad pública)は、未成年者が無援助の状況にあると認めると、法律上当然にその保護をなし、検察庁に知らしめ、また、法定の方式により父母、後見人または監護者(guardador)48時間以内に通知して、監護(guarda)に必要な保護措置を取らなければならない。可能であるならば、その通知のときに対面的(presencial)方式でまた明瞭かつ理解しやすい様式で、当局の介入を惹起した事由および採用された決定の効果をそれらの者に通知する。

未成年者の監護のために法が規定している保護義務の不履行または行使不能もしくは不適当な行使により事実上生じる状況は、未成年者から精神的または物質的に必要な援助が剥奪されているとき、無援助の状況とみなされる。

公共機関に付与された後見の就任(asunción)は親権または通常の後見の中断をもたらす。しかしながら、父母または後見人が未成年者を代理して行い、それに利益となる財産行為は有効である。

2. 父母または後見人は、事態が重大で、未成年者を面倒見切れないときは、管轄の公共機関に必要な期間その監護を取るように申立てできる。

監護の移転は、父母または後見人に対して、子について引き続き有するそれらの者の責任、および、行政機関の当該監護実施方式を通知したことを明記して、文書により証される。

 監護実施方式の事後の変更は、理由付けされ、それらの者と検察庁に通知される。

同様に、法的手続きがなされている場合、公共機関は、裁判官がそう同意するときは、監護をなすことができる。

3. 父母もしくは後見人の請求により、または、法律上当然の後見の機能として採られる監護は、里親制度(acogimiento familiar)または施設収容(acogimiento residencial)により実施される。里親制度は、公共機関が決定する者により実施され、施設収容は未成年者が収容されるセンターの管理者により実施される。

 未成年者の父母または後見人は、採られる方式が未成年者に最適でないと考えるとき、または、家族の範囲内に(指定される者よりも)より適切な者が存在する場合、収容を処分した行政決定に、2ヶ月以内に反対することができる。

 (本項は、20071228日法律54号国際養子縁組法で改定。同年同月30日発効)

4. 常に未成年者の利益が追求される。また、その利益に反しないときは、その本来の家庭へ戻ることと兄弟の監護が同一の施設または人物に託されることが求められる。

5. 未成年者と監護を託された者との共同生活に重大な問題が生じた場合は、未成年者または利害関係人は監護者の解任を申立てできる。

6. 遺棄を認定し、法律上当然に後見の就任を宣告する(declarar)(行政)決定に対しては、民事訴訟法に規定される期間と条件で、事前の行政的不服申立てを必要とせず、民事裁判に不服申立てできる。

 (本項は、20071228日法律54号国際養子縁組法で改定。同年同月30日発効)

7. 遺棄を宣告した行政決定の通知から2年以内では、親権を引き続き保持しているが、本条1項の規定で(親権)中断されている父母は、遺棄宣告をもたらした状況の変化により、改めて親権を取る条件内にあると考えるときは、中断を止め、未成年者の遺棄宣告を撤回するように申し立てることに適格である。

 同様に、(それらの者は)同じ期間内に未成年者保護に関して採用された決定に反対することに適格である。

 この期間が経過すると、不服申し立ての権利または未成年者保護に採用された決定または処置に反対する権利は消滅する。しかしながら、遺棄宣告を生じさせた状況の変化について公共機関および検察庁に情報を提供することはできる。

  (本項は、20071228日法律54号国際養子縁組法で追加。同年同月30日発効)

8. 公共機関は、職権により、または、検察庁、利害関係人もしくは利害機関の申し立てにより、いつでも、遺棄宣告を撤回でき、未成年者をその者の家庭へ戻すことを、他の家庭に安定して同化していない場合、または、戻すことが未成年者の利益に最も適うと考える場合、決定することができる。この決定は検察庁に通知される。

  (本項は、20071228日法律54号国際養子縁組法で追加。同年同月30日発効)

173

1. 里親制度は、未成年者を家族生活へ完全に参加させ、未成年者を受入れる者にその者を庇護させ、一緒に住み、糧を供し、教育し、および、独り立ちできるようにする義務を課す。

この保護は、未成年者の家庭の中核を代替する者または里親家庭の責任者が行使できる。

2. 里親制度は、公共機関の後見または監護の有無に係わらず、公共機関の同意、未成年者を受入れる者の同意、および、未成年者が12歳以上のときはその未成年者の同意を得て、文書により形成される。親権剥奪されていない父母または後見人が知れているときは、本条第3項が参照する暫定的里親制度の場合を除いて、その者の同意がなされるか、なされていることが必要である。

 前段が参照する里親制度の形成文書には次の事項を記載する:

①必要な同意。

②里親制度の方式とその予定期間。

③当事者の権利と義務、特に:

 a) 里子に出された未成年者の家族による訪問の周期。

 b) 未成年者が蒙る損害または第三者に対して発生し得る損害の(公共機関側あるいは他の民事責任者側による)担保システム。

 c) 扶養、教育および保健の費用の引受け。

④里親制度の目的に則した公共機関が実現させるフォローの内容及び里親家族の協力の約束。

⑤場合によっては里親が受領する経済的補償。

⑥里親が職業的に行われる場合、または、里親制度が施設的家庭(hogar funcional)で実現される場合は、その旨の明示的表明。

⑦未成年者へ向けられるサービスの情報。

 当該文書は検察庁に送付される。

3. 父母または後見人が里親制度に不同意もしくは反対する場合は、里親制度は、民事訴訟法の手続に従って、未成年者の利益のために裁判官のみが決定する。公共機関の申立て(propuesta)は前項で参照される事項を包含する。

 しかしながら、公共機関は、未成年者の利益のために、暫定的里親制度を決定でき、それは裁判上の決定がなされるまで持続する。

 公共機関は、適宜な手続がなされ、調書(expediente)が完成したら、その申立てを裁判官に速やかに、遅くとも15日以内に提出しなければならない。

4. 未成年者の里親制度は、(次の場合)終了する:

①裁判上の決定により。

②公共機関への事前通知をして、里親として未成年者を引受けている者の決定により。

③親権を有し、同居を申立てる後見人または父母の請求で。

④里親を聴聞して、未成年者の利益を擁護するために必要と考えるときは、未成年者を後見または保護する公共機関の決定により。

 里親制度が裁判官により設定されているときは、終了の裁判上の決定が必要である。

5. 里親制度の形成と終了の全ての行為は、慎重を期して(con la obligada reserva)実施される。

173条(補)

里親制度は、その目的に留意して次の方式を採用できる:

① 単純里親制度。これは、一時的性格を有するもので、未成年者の状況から未成年者自身の家庭への復帰が予定されているため、または、より安定した性格を帯びる保護手段を採用する間に採用される。

② 恒久的里親制度。未成年者の年齢または他の状況およびその家庭がそう示唆し、未成年者を保護しているサービス機関がそう報告するときに採用される。この場合、公共機関は、里親が未成年者のより大きい利益に留意してその責任を果たすことができるよう里親に後見機能を付与するよう裁判官に請求できる。

③前養子的里親制度。これは、里親が縁組に必要な要件を満たしており、選定されており、かつ、縁組への同意を公共機関になしていて、また、未成年者が縁組に適する法的状況にあるという条件のもとで、公共機関が、未成年者の保護サービス機関により作成された(informar) 未成年者の養子縁組の提案を司法機関に挙げて、公共機関により形成される。

 公共機関は、同様に、未成年者が家庭へ適合する期間の設定が必要と考えるときは、養子縁組の提案提出の前に、前養子的里親制度を形成できる。この期間は可能な限り短期であり、1年を超えることはできない。

174

1. 本款に関する未成年者の後見、里親制度または監護についての上部監視は検察庁の責任である。

2. その目的のため、公共機関は検察庁に未成年者の新たな入所について速やかに通知し、行政決定のコピーおよび後見、監護および収容の設定・変更・停止に関連する手続文書のコピーを発する。同じく、未成年者の状況における利害のいかなる変化も通知される。

検察庁は、少なくとも半年おきに未成年者の状態を確認しなければならなく、必要と思われる保護措置を裁判官に提出する。

3. 検察庁の監視は、公共機関の未成年者に対する責任およびそれが認知する異常を検察庁に知らせる義務を阻却しない。

(第2款:養子縁組)

175

1. 養子縁組では、養親は25歳以上でなければならない。夫婦両方でする養子縁組では一方がその年齢に達していれば良い。全ての場合、養親は少なくとも養子より14歳年上でなければならない。

2. 単に、親権解放されていない未成年者のみ養子にすることができる。例外として、成年者または親権解放された未成年者の縁組は、養子となる者が14歳になる前に開始した里親または同居状態が、親権解放直前に無中断で存続していた場合、可能である。

3. 次の者を養子とすることはできない:

① 卑属。

② 傍系血族または姻族の第2親等の親族。

③ 後見の正当な一般的計算が最終的に承認されるまでの後見人による被後見人。

4. 夫婦両方により一緒にまたは続いて縁組する場合を除いて、何人も2人以上の者の養子となることはできない。縁組後に挙行された婚姻では、その配偶者の子を養子にすることができる。養親の死亡の場合または養親が第179条に規定する排除に抵触するときは、養子は新たな縁組みを締結できる。

176

1. 縁組みは、養子となる者の利益と親権行使のための養親の適応性を考慮する裁判所の決定で形成される。

2. 縁組の手続き(expediente)を開始するには、養親が親権行使に適切であると(公共機関が)宣言する公共機関の事前の意見具申(propuesta)が必要である。適応性の宣言は意見具申の前になすことができる。

しかしながら、養子となる者に次の事情があるときは、意見具申は必要ない。

① 孤児で養親の3親等の血族または姻族である者。

② 養親の配偶者の子。

③ 前養子的里親制度の下で適法に1年以上里子であった者または同じ期間後見の下にあった者。

④ 成年者または親権解放された未成年。

3. 前項の前3例の場合は、養親が死亡した場合でも、裁判官に既に(養親が)その同意を与えていたときは、縁組を形成できる。この場合は、裁判所の決定の効果は同意提供の時に遡及する。

177

1. 裁判官の面前で、養親と12歳以上の養子となる者は縁組に同意しなければならない。

2. (次の者は)民事訴訟法中に規定される方式で縁組に同意しなければならない:

① 養親の配偶者。但し、確定判決による法定別居または公署証書で証された相互の合意による事実上の別居をしている場合を除く。

② 親権解放されていない養子になる者の父母で確定判決で親権剥奪されていない者、または、そのような剥奪の法的事由に該当していない者。この状況は、民事訴訟法第1827条の規定で取扱うことができる対審手続においてのみ認定することができる。

 同意しなければならない者が同意するに不能であるときは、同意は必要ない。不能は、縁組を形成する裁判所の決定に理由的に認定される。

母の同意は、分娩から30日経過しないとなすことはできない。

3. 裁判官は単純に(simplemente)(次の者の)意見を聞かなければならない:

① 縁組にその同意が必要ないとき、親権剥奪されていない父母。

② 後見人、場合によっては、監護者。

③ 充分な判断力があるときは、12未満の養子になる者。

④ 養親が1年以上適法に養子となる者の里親であったときは、養親の適応性を評価する目的で、公共機関。

178

1. 縁組は養子と以前の家族との法的紐帯を消滅させる。

2. 次の場合は、例外的に親の家族との法的紐帯が存続する:

① 養子が養親の配偶者の子であるとき。たとえ配偶者が死亡していても。

② 親の一方のみが法的に決定されているときで、養親、12歳以上の養子および紐帯が継続すべき親がその効果を申立てた場合。

3. 前各号の規定は、婚姻障害についての規定を害するものではない。

179

1. 裁判官は、検察庁、養子またはその法定代理人の申立で、親権剥奪の事由に陥った養親を、保護機能から、また、養子もしくはその卑属について養親に法律が付与している権利から、または、その者たちの相続財産における権利から排除するよう決定する。

2. (養子が)完全な能力を獲得したら、その廃除はその2年以内に養子のみが申立できる。

3. (養子が)完全な能力を獲得したら、子自身の決定によりこれらの制限は効果を生じない。

180

1. 養子縁組は撤回できない。

2. 裁判官は、過失なく第177条規定の目的で手続き(expediente)に介入しなかった父または母の申立により、縁組消滅を決定する。更に、その申立ては縁組から2年以内になされること、また、申立てられた消滅が未成年者をひどく害しないことが必要がある。

3. 縁組の消滅は、獲得された国籍および州籍の喪失の事由とはならず、また、以前に生じた財産的効果におよぶことはない。

4. 養子についての実方親子関係の決定は縁組に効果をおよぼさない。

5. 養子は、成年に達したら、または、未成年者の間はその父母が代理して、自己の生物学的起源についてのデーターを知る権利を有する。スペイン未成年者保護公共機関は、影響を受ける者に事前に通知して、その専門サービス部門を通して、申請者がこの権利を有効にするために必要な助言と援助を与える。

  (本項は、20071228日法律54号国際養子縁組法で追加。同年同月30日発効)