上位ページに戻る。

(スペイン民法)                 元司法書士 古閑次郎

(平成27年3月見直し修正)

編 第地役権(servidumbres)

1地役権総則

(第1款:不動産(*注:土地+定着物)(finca)上に設定できる地役権の種類)

530

地役権は、異なる所有者に属する他の不動産の利益のために、ある不動産上に課されている負担(gravamen)である。

地役権がその利益のために設定されている不動産を要役地(predio dominante)と言い、地役権が課されている不動産を承役地(predio serviente)と言う。

531

また、地役権は、負担が課されている不動産の所有者でない一人もしくは複数人またはある共同体の利益のために設定できる。

*注:他の不動産のためだけでなく、対人的地役権も設定できる)

532

地役権は継続もしくは不継続、表現もしくは不表現であり得る。

  継続地役権は、人の事実行為の介入なしに、その利用が不断である、または、不断となり得る地役権である。

  不継続地役権は、人の行為に依存し、ある程度長い間隔で使用される地役権である。

  表現地役権は、公表され(anunciarse)ていて、地役権の使用・収益を表わす外部の表示により継続して見え得る地役権である。

  不表現地役権は、その存在を外部へ表示していない地役権である。

533

更に、地役権には、積極地役権と消極地役権がある。

  承役地の所有者にあることをさせる、または、自分でする義務を課す地役権を積極地役権と呼び、承役地の所有者に、地役権がない場合は適法であることをすることを禁止する地役権を消極地役権と呼ぶ。

534

地役権は、それが能動的または受動的に属している不動産から分離できない。

535

地役権は分割できない。承役地が2以上に分割されたときは、地役権は変更されず、分割後の各承役地は、各々対応する部分で地役権に服しなければならない。       

  分割が要役地の場合、各部分(の権利者)は、その使用場所を変えることなく、また、他の態様で地役権に負担を課すことなく、地役権全部を利用できる。

536

地役権は、法律によりまたは所有者の意思により設定できる。前者を法定地役権と呼び、後者を任意地役権(servidumbre voluntario)と呼ぶ。

(第2款:地役権取得の方式)

537

継続・表現地役権は、(設定)権原(título)により、または、20年間の時効により取得される。

538

前項の地役権を時効取得するには、占有期間は、積極地役権では、要役地の所有者または地役権を享受していた者が承役地の上に当該地役権の行使を開始した時から計算され、消極地役権では、要役地の所有者がある要式行為(acto formal)で承役地の所有者にその地役権がないと適法である行為をなすことを禁止した時から計算される。

539

継続・不表現地役権および表現もしくは不表現の不継続地役権は、権原によってのみ取得できる。

540

時効取得できない地役権の設定権原の欠缺は、承役地所有者の承認公正証書または確定判決でのみ補充できる。

541

二つの不動産の間に同一の所有者が設定した(地役権の)明白な印(signo)の存在は、一つの土地が譲渡された場合、その地役権が能動的および受動的に継続するための権原とみなされる。ただし、二つの不動産の所有権が分離する場合で、譲渡権原証書に別段のことが表明されているとき、または、公正証書作成前にその印が消えているときは、この限りではない。

542

ある地役権が設定されると、その利用のために必要な全ての権利が譲許されたものとみなされる。

(第3款:要役地と承役地の所有者の権利・義務)

543

要役地の所有者は、自己の費用で承役地にその利用および地役権の保全のために必要な工事を行うことができる。但し、地役権の変更および過重することはできない。

  そのためには承役地の所有者にできるだけ害を及ぼさないように適当な時期と方法を選ばなければならない。

544

要役地が複数ある場合は、それらの所有者は、その工事が各人にもたらす利益に比例して前項の費用を負担する義務がある。負担を望まない者は、その他の者の利益に地役権を放棄して免れることができる。

  承役地の所有者がなんからかの方式で地役権を利用している場合は、別段の約定がないと、その者は前に示した比例配分で費用を負担する義務を負う。

545

承役地の所有者は、いかなる方法でも設定された地役権の利用を損なってはならない。

  しかしながら、原始的に指定された場所の事由によりもしくは地役権利用のために設定された方式の事由により、その地役権が承役地の所有者に不便となる場合、または、承役地の中で工事、修理もしくは重要な改良をなすことを禁止する場合は、等しく便利な他の場所もしくは方式を提供すると言う条件で、また、要役地所有者もしくはその地役権利用に権利を有する者になんらの害を与えないと言う条件で、承役地所有者の費用で変更することができる。

(第4款:地役権消滅の方式)

546

地役権は次の事由で消滅する:

①要役地と承役地の所有権が同一人に帰したとき。

20年間の不使用。

  この期間は、不継続地役権に関しては地役権の利用が止んだ日から数え始める。また、継続地役権に関しては地役権に反する行為が生じた日から数え始める。

③不動産が地役権に利用できなくなる状態になったとき。但し、その後不動産の状態が地役権利用を許すようになった場合は、利用可能なときで、前段の規定に従って消滅時効に十分な期間が経過するときを除いて、地役権は復活する。

④地役権が有期または条件付きのとき、その日の到達または条件の成就。

⑤要役地所有者の放棄。

⑥要役地所有者と承役地所有者間の消滅の約定。

547

地役権を提供する(prestar)形式も、地役権自身と同じく、また、同様な態様で、時効にかかり得る。

548

要役地が複数人に共有されている場合は、一人によりなされる地役権の利用はその他の者について消滅時効を妨げる。

(第2節:法定地役権)

(第1款:総則)

549

法律により課される地役権は、公衆の利用または個人(particulars)の利益をその目的とする。

550

公共または共同利用のために設定された地役権に関すること全ては、それらの地役権を規定する特別法および規則により、それが無い場合は本章の規定により、規律される。

551

個人の利益のためまたは私的利用の事由により法が課す地役権は、法律、規則および都市もしくは農村の警察に関する包括的または地域的条例が規定するものは別として、本章の規定により規律される。

  これらの地役権は、法が禁止していなくて、かつ、第三者を害しない場合は、利害関係人の協定で変更することができる。

(第2款:水に関する地役権)

552

下位にある土地は、自然に、かつ、人の所作によらず、上位の土地から流れてくる水、その流れで引きずられる土砂または石を受けなければならない。

  下位の土地の所有者はこの地役権を害する工事をなすことはできず、上位の土地所有者は、地役権を生じさせる工事をなすことはできない。

553

川の河畔は、私的所有物であっても、3mの範囲でその全延長とその岸に亘って航行、浮動、漁業および救助の一般的利益のために公共利用地役権に従う。

  航行または浮動可能な川の河畔に接する土地は、河川航行および浮動の排他的利用のための引き綱の道地役権に従う。

  そのために個人所有の土地を占有する必要がある場合は、対応する補償を先行させる。

554

ある川または小川の水の分岐もしくは取水のため、または、継続的または不継続的な他の水流利用のために堤防を設置する必要があるときで、それをなすべき者が、堤防を支える必要がある河畔または土地の所有者でないときは、対応する補償をして、堤防支え地役権を設定することができる。

555

取水(saca de agua)および(家畜)水飼い場の法定地役権は、対応する補償を先行させて、ある村落または部落の利益のために公共利用の事由によってのみ課することができる。

556

取水および水飼い場の法定地役権は、承役地中でその地役権が利用されるべき地点まで人と家畜を通行させる義務を負うが、この利用に補償を拡張しなければならない。

557

自己の土地のために利用できる水を利用しようとする者は全て、途中の土地を通す権利を有する。ただし、水が浸透または落ちる下位の土地の所有者への補償と同様に、その所有者に補償する義務を負う。

558

前条で譲許された権利を行使する者は、次の義務を負う:

①水を利用できること、および、水がその利用目的に充分であることを証明する。

②請求する水路が最適で第三者に負担が最も少ないことを示す。

③法律および規則により定められる方式で承役地の所有者に補償する。

559

水道地役権は、私益の目的では、建物、その庭または付属物上に、また、既存の庭園または耕地の上に課すことはできない。

560

水道地役権は、承役地の所有者が承役地を閉鎖することや柵・垣根を設けることの妨げとならず、更に、水道に害を与えないように、また、必要な修理と掃除を不能にしないようにして水道自身の上に建築できることを妨害しない。

561

法的効果に関して、水道地役権は、水路が一定でなくとも、または、その利用が要役地の必要性または日毎もしくは時間毎に設定された順番に依存していても、継続かつ表現のものとみなされる。

562

自己の土地の灌漑または改良のため、水を受け通すべき用水溝中に堰もしくは分水閘を設置する必要がある者は、損害賠償を先行して、岸の所有者にその建設を許可するように請求できる。また、(その者は)新地役権が当該所有者とその他の灌漑者に生じさせる損害を賠償する。

563

本款で規定される水地役権の設定、拡張、手続き(forma)および条件は、民法で規定されていないものについては当該事項の特別法により規律される。

(第3款:通行地役権)

564

他人の土地で囲まれ、公道に出られない土地の所有者は、対応する損害を補償して、隣地を通行させるよう請求する権利を有する。

  この地役権が恒久的な通路が設定されて要役地の全ての必要にとってその利用が連続し得るように設定されている場合は、補償は、占有される土地の価格および承役地中に発生する損害の総額でなされる。

  他人の土地に囲まれた土地の耕作のために、および、恒久的通路なしに承役地を通って作物を搬出するために必要な通路のみに(地役権が)限られる場合は、補償はその負担が生じさせる損害賠償の支払でなされる。

565

通行地役権は、承役地に最も害を与えない地点を通って設定されなければならない。また、この規定と調和的である間は、要役地から公道までの距離が最も短くなるように設定されなければならない。

566

通行地役権の幅は、要役地の必要に十分な幅である。

567

ある土地が売買、交換または分割で取得され、売主、交換相手または共有者の他の土地で囲まれた場合は、これらの者は別段の約定がないと補償なしで通路を与える義務を負う。

568

囲にょう地の所有者が公道に接する土地にその囲にょう地を結合させたことで、囲にょう地に譲許された通路が不要になった場合は、承役地の所有者は、補償のため受領したものを返還して、地役権の消滅を請求できる。

  囲にょう地にアクセスする新たな道を開いた場合も同様である。

569

ある建物の建築もしくは修繕のために隣地を通ってする材料の運搬または隣地への足場もしくは工事用のその他の物の設置が不可欠な場合は、隣地の所有者は、それで生ずる損害に対応する補償を受けて、同意する義務がある。

570

牛羊の移住路(canada)、畜群の通路(cordel)、通り道(vereda)またはその他のいかなる名で知られている現存する家畜通行地役権並びに水飼い場、休憩場および牧舎の地役権は、その分野の条例および規則により規律され、それらがない場合は、その土地の慣習および慣習法で規律される。

  適法に取得された権利は別として、牛羊の移住路は幅75m、畜群の通路は37.5m、通り道は20mを越えることはできない。

法定通行地役権または家畜用の水飼い場地役権の設定が必要なときは、本款の規定、第555条および第556条が適用される。この場合、幅は10mを超えることはできない。

4境界壁地役権(servidumbre de medianería)

571

境界壁地役権は本章により、また、本章に反しない限りまたはそこに規定がない限り地域の条例(ordenanzas)と慣習により規律される。

*注:本地役権は、異なる土地・建物の2所有者がその分離要素(壁、囲い、溝)の上に持つ共同権利である。)

572

境界壁地役権は、別段の権原証書、外部の印、または証拠がないときは、次の個所にその存在が推定される:

①隣接する建物の、建築(elevación)の共通点までの分割壁に。

②集落または田舎での庭の分割壁または土地の囲いに。

③農地を分割する囲い、柵、生け垣に。

573

次の場合は境界壁地役権に反する、外部の印があるとみなされる:

①建物の分割壁中に窓の扉または開放窓があるとき。

②分割壁が一方においてその全壁面で真直ぐかつ垂直であり、他方においては上部では真直ぐかつ垂直で下方は張出があるとき。

③隣接する不動産の中間ではなく一方の土地の上に壁全体が建設されているとき。

④一方の不動産の走路、路面および枠組みの荷重を受け、隣接する他方のものを受けていないとき。

⑤中庭、庭および土地の間の分割壁が、壁の屋根が不動産(propiedades)の一つの方向に傾いているように、建設されているとき。

⑥レンガ造りの分割壁が、表面から所々でその一方のみにおいてはみ出している飛び石と呼ばれる石を呈示しているとき。

⑦防柵または生垣で守られた他の土地と隣接しているその土地が囲まれていないとき。

  これらの場合は、壁、防柵または生垣は、以上の印の何れかに依拠した推定を自己の有利に持つ不動産の所有者に排他的に帰属しているものとみなされる。

574

土地の間に開かれた溝もしくは掘割は、また、反対のことを示す表示もしくは印が無い場合は、境界壁とみなされる。

  溝を開くため、または、その清掃のために掘出された土もしくは枯れ葉が一方のみにあるときは境界壁地役権に反する印がある。その場合、溝の所有権は排他的にこの外部的印が有利に働く土地の所有者に属する。

575

境界壁の修理と建設並びに境界壁である土壁、生垣、溝および掘割の維持は、境界壁地役権を利用する不動産の全所有者が、各人の権利に比例して、負担する。

  しかしながら、境界壁地役権を放棄してこの負担からの免除を受けることができる。ただし、境界壁が自己の建物を支えている場合は除かれる。

576

境界壁に支えられている建物の所有者が建物を壊したい場合は、同じく、境界壁地役権を放棄できる。しかし、破壊工事が境界壁にもたらす損害を避けるために必要な修繕および工事の全ては、そのときのみ、その者の負担となる。

577

全ての所有者は、自己の負担で、また、工事がもたらす損害をそれが短期間であっても賠償して、境界壁を高くすることができる。

  壁の維持費用は、壁が建てられたところで、または、以前に比してセメントが厚くなったところで、同様にその者の負担である。更に、高くなりまたは厚くなったことで境界壁の維持に追加しなければならない費用の補償もその者の負担である。

  境界壁が高くするには耐えられない場合は、それを建てたい所有者が自己の負担で再建築する義務がある。また、そのために厚さを増す必要がある場合は、自己の土地で厚くしなければならない。

578

壁を高くする、深くする、または、厚くすることに寄与しなかったその他の所有者は、工事の総額および壁が厚くなった所の土地の価格の半分を比例的に支払って、境界壁地役権を取得することができる。

579

境界壁の各所有者は、共同して有する権利に比例して境界壁を利用できる。よって、境界壁で建造物を支えながら、または、境界壁の厚みの半分まで梁を伸ばして、その他の境界壁共有者の共通かつ対応する利用を妨げることなしに、建物を建てることができる。

境界壁共有者がこの権利を利用するためには、前もってその他の境界壁に利害を有する者の同意を得なければならない。得ない場合は、新たな建造物がその者たちの権利を害しないために必要な条件を鑑定人(perito)が定める。

(第5款:採光地役権、観望地役権)

580

いかなる境界壁共有者も他の同意なしに境界壁に窓および穴を開けることはできない。

581

他人の不動産に接する(境界壁ではない)壁の所有者は、日照を取り入れるために、街路の高さで、あるいは天井に接して、30cm四方の大きさで、鉄の窓格子を壁に埋め込んで、また、針金の網戸を張って、それに窓または穴を開けることができる。

しかしながら、穴が開けられた壁に接する不動産の所有者は、境界壁地役権を取得する場合、かつ、別段の約定がない場合は、それらの穴を閉じることができる。

更に、自己の土地に建物を建てて、または、穴もしくは窓を有する壁に接して壁を立てて、それらの穴を塞ぐことができる。

582

隣家の不動産を直接臨む窓、バルコニーまたは同様な突出物は、それらを設ける壁と隣家の不動産の間に2mの距離がないと、開けることはできない。

同じく、隣家の不動産を側面または斜めに臨むものは、60cmの距離がないと、設けることができない。

583

前条の距離は、直線的観望では、突出物がない穴の場合は壁の外部線から、突出物がある場合は突出物の線から測定する。斜め観望では2つの不動産の分離線から測定する。

584

582条の規定は公道で区切られた建物には適用されない。

585

なんらかの権原で隣接不動産の上への直接の開口部、バルコニーまたは張出窓を持つ権利を取得したときは、承役地(隣地)の所有者は、第583条に示される様式の測度(medida)を適用して、3m以内に建物を建てることはできない。

(第6款:建物の排水)

586

建物の所有者は、雨水が自己の土地、公道または公共の場所に落ちるように、また、隣人の土地に落ちないように、その屋根または掩蔽物を建築する責任を負う。自己の土地に落ちていても、隣地に損害を与えないように水を取り除く責任を負う。

587

屋根の傾斜地役権を負担している土地の所有者は、自己の屋根上に雨水を受け、または地域の条例もしくは慣習に従って雨水に他の出口を与え、かつ、要役地に負担および損害を与えないようにして建物を建てることができる。

588

ある家の庭または中庭が他の家で囲まれていて、庭に引込まれる雨水に自己の家を通って出口を与えられないときは、出水が一番容易な隣地の地点を通って雨水に通り道を与え、対応する補償をなして承役地に生じる損害を最小にする方式で排水路を設けて、排水地役権の設定を請求できる。

(第7款:建築・植栽のための中間距離と建造物)

589

要塞の近くでは、事案に特定な法律、条例および規則が要求する条件に従っていないと、建築と植栽を行うことはできない。

590

何人も、他人の壁もしくは境界壁の近くに、地域の規則と慣習で規定されている距離を保たないで、また、同規則が規定する条件に従った必要な保護工事を実施しないで、井戸、下水道、水道、釜戸、炉、煙突、牛小屋、腐食し易い材料の保管所、蒸気で動く機械、または、それ自体もしくはその生産物が危険あるいは有毒である工場を建設することはできない。

  規則が無い場合は、隣地または隣家に損害を与えないために、鑑定人の前もっての意見で、必要と考えられる予防策を取る。

591

地域の条例または慣習により認められた距離がないと他人の土地の近くに樹木を植えることはできない。条例・慣習がない場合、その距離は、高木を植栽するときは土地の境界線から2m、潅木もしくは低木のときは50cmである。

  所有者は、自己の土地からそれらの距離に満たないで植えられた樹木の除去を請求できる。

592

ある樹木の枝が隣の土地、庭または中庭の上に延びている場合は、これらの所有者は自己の所有土地上に延びている限度で切ることを請求する権利を有する。また、他の土地に延びている根が隣の樹木の根である場合は、根が侵入しているその土地の所有者は、その地所の中で自らその根を切ることができる。

593

生垣または境界垣に存する樹木は、また、境界樹木と推定され、いずれの所有者もその除去を請求する権利を有する。

  境界石として利用されている樹木は除かれる。それらは隣人間での共通の合意がないと除去できない。

(第3節:任意地役権)

594

不動産(finca)の所有者は、法律または公序に反しない場合は、その不動産上に、都合が良いと考える、また、態様及び形がその者に適当と思われる、地役権を設定することができる。

595

その用益権が他人に帰属している不動産の所有権を持つ者は、用益権者の同意なしに、その不動産の上に用益権を害しない地役権を設定することができる。

596

ある不動産の直接所有権がある者に帰属し、使用所有権が他の者に帰属しているときは、両所有者の同意がないとその上に永久的任意地役権を設定することはできない。

597

共有不動産(fundo)の上に地役権を課すには共有者全員の同意が必要である。

一部の者によりなされた譲許は、共有者全員の最後の者が譲許するまで停止される。

しかし、他の共有者と分離してある者が譲許すると、譲許者とその承継人は、特定承継であっても、譲許された権利の行使を妨げない義務を負う。

598

(設定)権原、場合によっては、時効取得された地役権の占有が、要役地の権利と承役地の義務を決定する。それらがない場合は、地役権はそれに適用できる本章の規定により規律される。

599

承役地の所有者が地役権を設定するときに、その地役権の利用・保全に必要な工事の費用を負担する場合は、要役地の所有者に自己の土地(承役地)を放棄してその負担を免れることができる。

600

牧草地の共有関係は、契約または遺言から生じる(所有者の)明示の譲許によってのみ今後は(en lo sucesivo)設定することができる。そして、個々人総体の利益のためでなく、また、土地の全体の上ではなく、特定個人の利益のため、また、ある特定の土地の上に設定することができる。

 本条に従って設定された地役権は、その設定権原により規律される。

601

市とか国に帰属する公共地での牧草地の共有関係は行政法律で規律される。

602

一以上の村落の住人間に牧草地の共有関係が存する場合は、土地を土塀または垣で囲う所有者はその土地を共有関係から免れさせる。しかしながら、その土地上に設定されたその他の地役権は存続する。

  自己の土地を囲う所有者は、囲われていない他の土地で牧草地の共有関係の権利を保持する。

603

牧草地役権を負担させられた土地の所有者は、地役権者にその価額を支払ってその負担を逃れることができる。

  協定が無い場合は、鑑定人が評価する牧草の年価額の100分の4を基礎として、てき(redención)について元本(capital)が定められる。

604

前条の規定は、私有の山の薪およびその他の産物を利用するために設定された地役権に適用される。