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(スペイン民法)                 元司法書士 古閑次郎

(平成27年3月見直し修正)

3編 第3章 相続

3無遺言相続(sucesión intestada)

(第1款:総則)

912

法定相続(sucesión legítima)は次の場合生じる:

① 或る者が遺言なく死亡したとき、または、遺言が無効なとき、もしくは、遺言がその後効力をなくしたとき。

② 財物の全部もしくは一部について遺言に相続人の指定がないとき、または、(遺言で)遺言者に属する全ての財物を処分していないとき。後者の場合、法定相続は、遺言で処分されていない財物についてのみ生じる。

③ 相続人の指定に付された条件を欠くとき、(遺言指定)相続人が遺言者の前に死亡したとき、または、(遺言指定)相続人が代替相続人(sustituto)を持たないで、かつ、(他の相続人に)増加権が発生することなく相続を放棄したとき。

④ 指定された相続人が相続無能力であるとき。

913

遺言相続人がいないときは、法は死亡者の親族、寡夫もしくは寡婦および国に移譲する。

914

遺言による相続無能力に関する規定は同じく無遺言相続に適用される。

(第2款:親族関係)

915

親族関係の近しさは世代(の数)により決まる。各世代は1親等を形成する。

916

親等の列は直系または傍系の線を形成する。

 ある者から他の者に下がる者たちの間での親等の列で構成される線を直系と呼ぶ。

 ある者から他の者に下がるのではなく、共通の始祖から出てくる者たちの間での親等の列で構成される線を傍系と呼ぶ。

917

直系は直系卑属と直系尊属に分かれる。

 前者は家長とその者から下る者たちを結ぶ。

 後者はある者とその者が卑属となる者たちを結ぶ。

918

親系では、先代の親系を算入しないで、親等、世代または人数で数えられる(?)。

直系では、単にその先祖まで遡る。よって、子は父とは1親等、祖父とは2親等、曾祖父とは3親等で離れる。

傍系では、共通の先祖に遡り、計算対象の本人に下る。兄弟は(他の)兄弟とは2親等、父または母の兄弟である叔父(伯父)とは3親等、従兄弟とは4親等で離れる。

919

前条に係る計算は全ての事柄で効力を持つ。

920

父方と母方を同じくする親族関係を全血(doble vínculo)と呼ぶ。

921

相続では、代襲相続権を除いて、親等で最も近い親族は親等の遠い親族を排斥する。

  全血についての第949条の規定を除いて、同じ親等の親族は均等に相続する。

922

同一親等の者が数人あり、或る者(達)が相続しない、または、できない場合は、代襲相続が発生するときを除いて、その者の持分は同一親等の者の持分を増加させる。

923

最も近い親等の者が一人だけでその者が放棄すると、または、複数いる場合で法律により(相続に)召集された最も親等の近い者全員が放棄すると、次の親等の者が、放棄者の代襲ではなく、それ自身の権利で相続する。

3代襲(representación)

924

ある者の親族が、そのある者が生存している場合または相続することができる場合に(そのある者が)獲得するであろう全ての権利を承継する権利を代襲相続権と呼ぶ。

925

代襲相続権は下方の直系で生じ、上方には決して生じない。

傍系では全血と半血兄弟の子のために生じる。

926

代襲相続の場合、遺産分割は、代襲相続人が被代襲者が生きていれば相続するであろうものより多く相続することがないようにして、株分け(estirpes)によりなされる。

927

被相続人の兄弟に子たちがいるときは、それらの子は、叔父たちと競合して代襲で相続する。自身たちだけが競合する場合は、均等に相続する。

928

ある者を代襲する権利は、その者の相続を(以前)放棄したことにより喪失しない。

929

廃除または相続無能力の場合以外は、生存者は代襲され得ない。