(スペイン民法)                 元司法書士 古閑次郎

(平成27年4月見直し修正)

第4編 第10章 (使用・消費)貸借(préstamo)

(総則)

1740

(使用・消費)貸借契約により、当事者の一方は他方にある非消費物を引渡し、後者はそれを一定期間使用し、返還する。この場合を使用貸借(comodato)と呼ぶ。または、金銭もしくは消費物を、同じ種類と品質の他物で返還する条件で引渡す。この場合、単純に(消費)貸借(préstamo)の名を維持する。

 使用貸借は基本的に無償である。

 消費貸借は無償となり得る、または、利息支払の約定を付することができる。

(第1節:使用貸借)

(第1款:使用貸借の性質)

1741

貸主は貸した物の所有権を保持する。借主はその物の使用権を取得するが、果実は取得しない。使用権の取得者が支払うべき報酬が介在する場合は、その約定は使用貸借であることを止める。

1742

使用貸借から生じる責任と権利は、貸借が借主の人物に注目してなされていない場合は、両当事者の相続人に移転する。注目してなされている場合は、その相続人は貸借物の使用継続する権利を有しない。

(第2款:借主の責任)

1743

借主は、借用物の使用と保存に必要な通常費用を支払う責任を負う。

1744

借主が借用物を借用の目的と異なって使用する場合、または、約定期間を超えて自己の支配下に置く場合は、借主はその喪失について、喪失が偶然に起こるとしても責任を負う。

1745

借用物が(価額)査定されて引渡され、喪失する場合は、偶然の場合であっても、責任を免除する明文の約定がないと、借主はその価額に責任を負う。

1746

借主は、使用の単なる効果で、かつ、その過失によらないで借用物に生じる毀損の責任は負わない。

1747

借主は、たとえ(発生)費用の理由であったとしても、貸主は借主に借りがあるとの口実(pretexto)により借用物を留置することはできない。

1748

ある物を共同で借りている借主は、本款の規定に従って、その物に連帯して責任を負う。

(第3款:貸主の責任)

1749

貸主は、貸与物の使用終了後でないと貸与物の(返還)請求はできない。しかしながら、期限前に貸主にその物の緊急な必要がある場合は、返還を請求できる。

1750

貸借期間も借用物の使用目的も約定されておらず、かつ、使用がその土地の慣習により決定されていない場合は、貸主はその意思により借用物の(返還)請求できる。

 疑義の場合は、証明は借主にその責任がある。

1751

貸主は、契約期間中に(借主が)貸与物保存に費やした特別支出を、借主がその支出の前に貸主に通知する場合は、支払わなければならない。(借主の通知義務は)危険なしには通知の結果を待てないほど緊急であった場合は除かれる。

1752

貸与物の瑕疵を知りながら借主に告げない貸主は、それによって借主が被った損害について責任を負う。

(第2節:消費貸借)

1753

金銭または消費物を借用した者は、その所有権を取得し、債権者に同じ種類と品質の他の物を返還する責任を負う。

1754

金銭を借用する者の責任は、本法の第1170条の規定で律せられる。

 借用物が他の消費物である場合、または、貨幣に鋳造されていない金属の量である場合は、債務者は受領したと同じ量を、同じ種類と品質で、たとえその価額が変っていても、返還しなければならない。

1755

明示的に約定されていない場合は、利息を課すことはできない。

1756

定められていない利息を支払った借主は、それを(返還)請求できない、また、元本に充当できない。

1757

質物上への(消費)貸借の設定は、更に、それに関連する規則に服する。

 

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