(スペイン民法)                  元司法書士 古閑次郎

(平成27年4月見直し修正)

編 第12章 射倖契約(contratos aleatorios o de suerte)

(第1節:総則)

1790

射倖契約により、当事者の一方または相互に両方は、他方が不確かな出来事または不確定期限で生ずべき出来事について給付すべき、または、なすべきことに相等しいある物を給付またはなす責任を負う。

2扶養契約(contratos de alimentos)

1791

扶養契約により、当事者の一方は、いかなる種類の財物および権利での或る元本(capital)の移転と引換えに、ある者にその生涯に亘って住居、養育およびあらゆる支援を与える責任を負う。

1792

扶養給付義務者が死亡したら、または、当事者の平穏な共同生活を阻害する重大な事情が発生したら、当事者の何人も、約定扶養給付を、それらの事情に対応するために契約で約定された(予定期間の間弁済するため)実状対応年金(pension actualizable*注:つまり、物価変動等を考慮して価値が変わらないような年金)を通して、支払うよう請求することができる、または、規定がないと、裁判上定められる実状対応年金を通して支払うよう請求することができる。

1793

扶養給付の範囲と品質は、契約の結果に従う。別段の約定がない場合は、義務者の財産と生活費(necesidades)の変動および扶養を受ける者の財産の変動に依存しない。

1794

扶養を提供する義務は第152条に係る事由により、その①の規定を除いて、終了しない。

1795

扶養債務が履行されない場合は、第1792条の規定は別として、請求以前に満期が到来したものの支払いを含めての履行の請求か、契約解除かを選択する権利が、双務的債権債務の一般原則をそれら両方の場合に適用して、被扶養者に与えられる。

 被扶養者が解除を選択する場合は、扶養債務者は、契約で受領した物を直ちに返還しなければならない。その代わりに、裁判官は、状況に配慮して、次条の規定に関連して被扶養者への返還延期を、全部または一部、その(被扶養)者の利益で、しばらくの間保証を定めて承認することができる。

1796

契約解除の結果では、少なくとも、被扶養者のため新たにその生涯に亘る期間同様な年金を設定するに充分な余剰が残るようでなければならない。

1797

扶養と引換えに移転される物または権利が登記できるときは、抵当法第157条に規定される抵当権を設定する他に、支払いがないときは、明示的解除条件の性格を(移転される物・権利に)付与すると言う登記された約定でもって第三者に対抗して被扶養者の権利を保証することができる。

(第3節:博戯と賭け事)

1798

法律は、博戯、賭け(envite)または偶然の遊戯で得られる物の請求権を譲許しない。但し、負けた者は任意に支払ったものを、詐欺が介入した、未成年であった、または、財産の管理能力がなかった場合でないと、回復できない。

1799

博戯に関する前条の規定は、賭け事(apuestas)に適用される。

 禁止される博戯に類似する賭け事は禁止されているとみなされる。

1800

武具の操作、ランニング、乗馬競技、自動車競走、球技および他の類似した性質のものにおいて習熟目的を有する身体運動に寄与する博戯は禁止されたものとみなさない。

1801

禁止されていない博戯または賭け事で負ける者は民事的債務を負う。

 司法当局は、しかしながら、博戯または賭け事で流通した額が過大であるときは、訴えを認容することはできず、または、善良な家父の慣習(usos)を超過するものでは責任を減少することができる。

4終身年金(renta vitalicia)

1802

終身年金の射倖契約では、債務者は、所有権が直ちに年金(pensión)の負担付きで債務者に移転されるところの動産または不動産での元本(capital)に対して、特定の1人またはそれ以上の者の存命中に年金を支払う責任を負う。

1803

年金(renta)を、元本の提供者、第三者、または複数の者の生涯(vida)の上に設定することができる。

 更に、年金は、それがその生涯の上に約定されるところのその者の利益に、または、他の異なる者の利益に設定することができる。

1804

約定時に死亡している者の生涯の上に、または、約定時から20日以内に死亡を惹起することになる疾病に罹患している者の生涯の上に設定された年金は無効である。

1805

満期が来た年金が支払われなくとも、年金受給者には元本の償還請求は容認されず、また、譲渡した不動産を占有することは認容されない。単に、遅延した年金の支払いと将来年金の確保を裁判上請求する権利を得る。

1806

受給者死亡の年に対応する年金は生存日数に比例して支払われる。前払いで弁済しなければならなかった場合は、その存命中に開始した期間の総額が支払われる。

1807

無償で自己の財物の上に年金を設定する者は、約定時に、当該年金は年金受給者の債務による差押えに服さない旨定めることができる。

1808

その生涯の上に年金が設定された者の存在の証明なしには、年金を請求することはできない。

 

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