第3章 刑罰

1節 刑罰、その種類と効果

第1款 刑罰とその種類

32
 本刑法典に従って科される刑罰は、主たる性格を持つものであっても、附加的性格を持つものでであっても、自由の剥奪、その他の権利の剥奪および罰金である。

33
1. その性質と期間によって、刑罰は、重刑、非重刑(menos grave)と軽刑に分類される。
2. 次のものは重刑である:
a) 見直し可能終身刑(prisión permanente revisable)
b) 5年超の禁固(または、拘禁)刑。
c) 絶対的公権剥奪。
d) 5年を超える期間の個別的公権剥奪。
e) 5年を超える期間の公雇用または公職の停止。 
f) 8年を超える期間の自動車およびモータバイク運転権利の剥奪。
g) 8年を超える期間の武器所持・帯同権利の剥奪。
h) 5年を超える期間の特定の場所に居住するまたはそこに出入る権利の剥奪。
i) 5年を超える期間で、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近の禁止。
j) 5年を超える期間で、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への連絡(comunicarse)の禁止。
k) 親権の剥奪
3. 次のものは非重刑である。
a) 3月から5年までの禁固刑。
b) 5年までの個別的公権剥奪。
c) 5年までの公雇用または公職の停止。
d) 11日から8年までの自動車およびモータバイク運転権利の剥奪。
e) 11年から8年までの武器の所持・帯同権利の剥奪。
f) 動物に関連する職業、職務または商行為の行使について、および、動物所有について11年から5年までの個別的公権剥奪
g) 6月から5年までの期間、特定の場所に居住するまたはそこに出入る権利の剥奪。
h) 6月から5年までの期間、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近の禁止。
i) 6月から5年までの期間、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への連絡の禁止
j) 3月以上の罰金。
k) 本条第7項の規定を除き、その額に関係なく、比例罰金(multa proporcional)
l) 31日から1年までの共同体の利益での労働。
4. 次のものは軽刑である:
a) 3月から1年までの自動車およびモータバイク運転権利の剥奪。
b) 3月から1年までの武器の所持・帯同権利の剥奪。
c) 動物に関連する職業、職務または商行為の行使について、および、動物所有について3月から1年までの個別的公権剥奪。
d) 6月未満の期間、特定の場所に居住するまたはそこに出入る権利の剥奪。
e) 1月から6月未満までの期間、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近の禁止。
f) 1月から6月未満までの期間、被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への連絡の禁止
g) 3月までの罰金。
h) 1日から3月までの常時所在確認(localización permanente)
i) 1日から30日までの共同体の利益での労働。
5. 罰金の不払いに対する補充的人的責任は、それが置き換えられる刑罰に応じて、非重刑または軽刑の性質を持つ。6. 付加刑は、本刑法典の他の規定が明示的に定めるものを除いて、主刑がそれぞれ持つ期間(duración)を持つ。
7.  全て重刑と評価される法人に適用される刑罰は、次のものである:
a) 割合罰金(multa por cuotas)または比例罰金(multa proporcional)
b) 法人の解散。解散はその法人格の最終的喪失、および、合法であっても、取引におけるいかなる形態でのその行為能力の喪失、または、いかなる種類の活動の行為能力の喪失をもたらす。
c) 5年を超え得ない期間でのその活動の停止。
d) 5年を超え得ない期間でのその店舗(locall)・施設(establecimiento)の閉鎖。
e) (その行使内で)犯罪を犯した、犯罪に便宜を与えた、または隠蔽したところのその活動を将来実現することの禁止。この禁止は一時的または最終的となり得る。一時的である場合は、15年を超えることはできない。
f) 15年を超え得ない期間、補助金・公的支援を受ける、公的セクターと契約する、および、税金の利益・報奨または社会保障を享受する公権剥奪。
g) 5年を超え得ない範囲で必要と思料される期間、労働者または債権者の権利保全のための裁判所の監査(intervención judicial)
 監査は、組織全体に亘り得る、あるいは、その設備施設(instalación)、部課または営業単位の或るものに限ることができる。裁判官または裁判所は、判決により、または、事後、決定(auto)により監査の内容を正確に決める。また、誰がその監査(業務)を受け持つか、また、司法機関に監査報告を提出すべき期限を決める。監査を、監査人(interventor)および検察庁への通知の後でいつでも修正または停止できる。監査人は、会社または法人のあらゆる設備および店舗に立ち入る権限およびその業務遂行に必要と思料するあらゆる情報を受ける権限を有する。(施行)規則によって、報酬または必要な資格のような監査人の機能の行使に係わる詳細を定める。
 店舗または施設の閉鎖、会社活動の停止および裁判所の監査は、保全処分として、訴訟の予審の間、予審判事(juez instructor)が決定することができる。

34
 次の場合は、刑罰とみなされない:
1. 拘置(detención)、予防拘禁(prisión preventiva)、刑事的性質のその他の保全処分。
2. 行政権限(atribuciones)または懲戒権限の使用で、部下または職員(administrado)に科される、罰金およびその他の懲戒。
3. 民法または行政法が規定する権利剥奪および賠償制裁(sanción reparadora)
 
第2款 自由剥奪刑

35
 見直し可能終身刑、禁固刑、常時所在確認および罰金の未払いによる補充的人的責任は、自由剥奪刑である。その執行および刑の短縮をもたらす悔悛の善行(beneficio penitenciario)は、法律および本刑法典の規定に適合する。       

36
1. 終身刑は、第92条の規定に従って見直される。
 受刑者を第3級へ分類するには、社会復帰の個別化された有利な見通しの後に、検察庁と刑務所の意見を聞き、裁判所により承認されなければならない。次の場合は、承認されない:
a) 本刑法典の第2編第12章第7節の罪による受刑者の場合、実効的禁固履行が20年に達するまで。
b) その他の場合、実効的禁固履行が15年に達するまで。
 これらの場合、受刑者は、a)の場合では最低禁固履行12年、b)の場合では8年に達するまで出所許可を享受することはできない。
2. 禁固刑は、本刑法典が例外的に定める場合を除き、最低3月、最高20年の期間である。
 禁固刑の期間が5年を超えるときは、裁判官または裁判所は、悔悛処遇第3級への(受刑者の)分類が、刑期の半分経過まで行使されないよう命じることができる。
 いずれにせよ、禁固刑の期間が5年を超え、次の罪の場合、悔悛処遇の第3級への(受刑者の)分類は、刑期の半分経過まで行使できない:
a) 組織およびテロリスト・グループに係る犯罪、本刑法典の第2編第12章第7項のテロリズム犯罪。
b) ある犯罪組織またはグループの中で犯された犯罪。
c) 第183条の犯罪
d) 被害者が13歳未満であるとき、本刑法典の第2編第8章第5項の犯罪。
 矯正観察裁判官(juez de vigilancia penitenciaria)は、社会復帰の個別化され有利な見通しの後に、場合によっては、受刑者の人的事情および再教育処置の展開を査定して、検察庁、刑務所およびその他の当事者の意見を聞いて、前段の場合を除き、刑期履行の一般制度の適用をよく考えて決定することができる。
2. いずれにせよ、裁判所または矯正観察裁判官は、管轄に従って、検察庁、刑務所およびその他の当事者への通知の後で、人道的理由、不治の疾患を持つ重病受刑者の人的尊厳の理由、および、特にその危険性の少なさを評価する70歳台の者である理由による第3級への進級を決定することができる。

37
1. 常時所在確認刑(localización permanente)は、6月までの期間とする。その執行は、有罪判決を受けた者がその居宅に、または、裁判官が判決または後に理由付き決定で決める或る特定の場所に常在することを強制する。
 しかしながら、常時所在確認刑が主刑である場合は、違反実行の繰り返しに留意し、また、具体的準拠規定が明示的にそう規定するときは、裁判官は判決において常時所在確認刑を土曜、日曜および祝日は受刑者の居宅に最も近い矯正センターで執行させるべく決定することができる。
2. 有罪判決を受けた者がそう申し立て、状況がそう勧告する場合は、判決裁判官または裁判所は、検察庁の意見を聞いて、刑罰が土曜、日曜の期間内で、または、連続しない形で執行されるよう決定することができる。
3. 有罪判決を受けた者が刑罰を履行しない場合は、判決裁判官または裁判所は、第468条の規定に従って手続きするため証拠を申し立てる(deducir testimonio)(?)
4.  効果的執行を確保するため、裁判官または裁判所は受刑者の所在確認できる機械的または電気的装置の使用を決定できる。

38
1. 有罪判決を受けた者が投獄される場合は、刑の期間は、有罪判決が確定した日から数え始める。
2. 有罪判決を受けた者が投獄されない場合は、刑の期間は、その履行に適した施設に入ったときから数え始める。

3款 権利剥奪刑

39
 次のものは権利剥奪刑である:
a) 絶対的公権剥奪。
b) 公職、公務、(専門)職業、職務、諸事業、または、本刑法典が定めるその他の活動についての個別的公権剥奪、あるいは、親権、後見、保佐または保護の権利、動物を飼う権利、被選挙権、または、その他の権利の個別的公権剥奪。
c) 公雇用または公職の停止。
d) 自動車およびモータバイクを運転する権利の剥奪。
e) 武器を所持・帯同する権利の剥奪。
f) 特定の場所に居住する権利またはそこに出入る権利の剥奪。
) 被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近の禁止。
h) 被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への連絡の禁止。
i) 共同体の利益での労働。
J) 親権の剥奪

40
1. 絶対的公権剥奪刑の期間は、6年から20年とする。個別公権剥奪刑は、3月から20年、公雇用または公職停止の刑は、3月から6年とする。
2. 自動車およびモータバイクを運転する権利の剥奪刑、および、武器を所持・帯同する権利剥奪刑の期間は、3月から10年とする。
3. 特定の場所に居住する権利またはそこに出入る権利剥奪刑の期間は、10年までとする。被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近禁止刑および連絡禁止刑の期間は、1月から10年とする。
4. 共同体の利益での労働刑の期間は、1日から1年とする。
5. これらの各刑の期間は、本刑法典に例外的に規定されるものを除き、前各項に規定される期間である。

41
 絶対的公権剥奪刑は、有罪判決を受けた者が有する全ての名誉、(例え、選挙によるものであっても)公雇用または公職の確定的剥奪をもたらす。さらに、その刑期の間、それらの物、または、なんらかの他の名誉または公雇用または公職を得る権利の剥奪および公職に選出される権利の剥奪をもたらす。

42
 公雇用または公職についての個別的公権剥奪刑は、それが科される(例え、選挙によるものであっても)公雇用または公職およびそれらに付属する名誉の確定的剥奪をもたらす。さらに、その刑期の間、それと同一または類似のものを得る権利の剥奪をもたらす。判決中に、公権剥奪がふりかかる雇用、職務および名誉を特定しなければならい。

43
 公雇用または公職の停止は、その刑期の間、有罪判決を受けた者からその行使を奪う。44
 被選挙権の個別的公権剥奪は、その刑期の間、公職に選ばれる権利を有罪判決を受けた者から奪う。

45
 判決中に明示的に理由付きで具体化されるべき、(専門)職業、職務、諸事業またはその他のいかなる権利に関する個別的公権剥奪は、その刑期の間、有罪判決を受けた者からそれを行使する権能を奪う。

46
 親権、後見、保佐、保護または庇護(acogimiento)の行使についての個別的公権剥奪は、有罪判決を受けた者から親権に固有な権利を奪い、その他のものの消滅および刑期の間当該職務に指名される能力を喪失させる。親権剥奪の刑は、子の有罪判決を受けた者に対する権利を残したまま、親権資格の喪失を意味する。裁判官または裁判所は、事案の事情を勘案して、未成年者または有罪判決を受けた者の庇護の下にある無能力者の全員または一部についてこれらの刑を決めることができる。
 本条の効果について、親権は民法典に規定される親権(拡張されたものを含む)および自治州の民事法に規定されている同様な制度を包含する。

47
 自動車およびモータバイクを運転する権利の剥奪の刑を科すことは、判決に定められた期間、両権利の行使を有罪判決を受けた者から剥奪する。
 武器の所持・帯同権剥奪の刑を科すことは、判決に定められた期間、この権利の行使を有罪判決を受けた者から剥奪する。
 科された刑の期間が2年超の場合は、運転または所持・帯同の許可または免許の失効をもたらす。

48
1. 特定の場所に居住する権利またはそこに出入る権利剥奪刑は、有罪判決を受けた者が、犯罪が行われた場所、あるいは、被害者またはその家族が居住する場所に、(それらが異なる場合)居住または出入りすることを阻止する。知的無能力または精神錯乱に起因する無能力が宣告されている場合は、(場合によって、付き添いの手段および処置の履行のために必要な支援を得なければならない)無能力者の保護すべき法益およびより上位の利益に留意して決定するために、具体的ケースが検討される。
2. 被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への接近の禁止は、有罪判決を受けた者のそれらの者への接近を、(それらが)どこに居ても、阻止し、また、その住居、仕事場およびそれらがよく行くその他の場所への接近を阻止する。これらの場合、子に関して、場合に応じて民事判決で認められた面接交渉は、この刑の満了まで停止される。 
3. 被害者、その家族または裁判官または裁判所が決めるその他の者への連絡の禁止は、有罪判決を受けた者のこれらの者との(いかなる通信手段または情報通信手段による)文書的、音声的または映像的接触を阻止する。
4. 裁判官または裁判所は、これらの処置の監視が電子的手段を介して実現されることを決定できる。

49
 有罪判決を受けた者の同意なしには科すことができない共同体の利益での労働刑は、特定の公益活動に無報酬で協力することを強いるものである。公益活動は、有罪判決を受けた者が犯した犯罪に類似な性質の犯罪に関連して、生じた損害の回復の作業あるいは被害者の支援または援助の作業でもって構成することができる。さらに、有罪判決を受けた者の教育的作業所への参加、または再教育、労働、文化、交通・性教育プログラムおよびその他の類似なもので構成できる。その日々の長さは8時間を超えてはならず、その条件は次のようにする:
1. 執行は、矯正観察裁判官の管理下で行われる。この目的のために、裁判官は、行政機関、公的機関または役務が提供される公益団体から労働の遂行に関する報告を求めることができる。
2. 有罪判決を受けた者の尊厳を損なわない。
3. 共同体の利益での労働は、行政機関によって提供され、(行政機関は)この目的のために適宜の合意を成立させることができる。
4. 社会保障について刑務所法制によって有罪判決を受けた者に授けられる保護を享受する。
5. 経済的利益の獲得に従わない。
6. 矯正的社会公共施設は、必要な確認をして、刑の執行に係る出来事、および、いずれにしても、有罪判決を受けた者が次に該当するときは、矯正観察裁判官に通知する:
a) 少なくとも2労働日の間労働を欠勤する。このことが刑の執行の自己意思での拒否をもたらす場合、
b) 労働施設の責任者の要求にも係わらず、その者の生産性が最低要求水準を目に見えて下回る。
c) 仕事の責任者が与える仕事の向上に係わる教導に繰り返し、明白に反対し、またはそれを履行しない。
d) その他の理由により、その行動で、施設の責任者がその有罪判決を受けた者を施設に置き続けることを拒否する。
 通知を評価して、矯正観察裁判官は、同じ施設での執行を決定でき、他の施設で執行するために受刑者を移送でき、または、有罪判決を受けた者は刑を履行しなかったとみなすことができる。
 刑の不履行の場合は、第468条の規定に従って手続きするため証拠を申し立てる(deducir testimonio)(?)。
7. 有罪判決を受けた者が正当事由で労働しなかった場合は、労働活動の放棄とはみなさない。しかしながら、なされなかった労働は、刑の清算(liquidación)には計算されない。刑の清算には、科された全体の内、実効的に労働した日が証明されなければならない。
 
4款 罰金刑

50
1. 罰金刑は、有罪判決を受けた者に金銭的制裁を科すことで成る。
2. 法律が別途定める場合を除き、罰金刑は日数罰金(días-multa)の方式で科される。
3. その最小日数は10日、最大日数は2年である。 法人に科される罰金刑は最大日数5年とする。
4. 1日の納付金(cuota)は、最低2ユーロ、最大400ユーロである。法人の場合は、最低30ユーロ、最大5,000ユーロである。 この計算のために、期間が月または年によって設定される場合は、月は30日、年は360日とみなす。
5. 裁判官または裁判所は、犯罪ごとに定められた限度内で、かつ、本章第2節の規定に従って、罰金の日数(extención)を理由付きで決定する。 同様に、受刑者の資産、所得、負債、家族の費用およびその他の個人的状況から推定される、受刑者の経済状況だけを考慮して、これらの(1日の)納付金(cuota)の額を定める。
6. 裁判所は、正当事由により、判決確定から2年を越えない範囲で、罰金の支払いを一回払いまたは分割払いで承認できる。分割の場合、2回分の不払いは、残余分の期限の到来をもたらす。

51
 判決後、罰金刑を受けた者の経済状況が変化した場合は、裁判官または裁判所は、例外的にかつ経済状況の正当な調査の後に、定期的納付金の額および支払い期限を修正することができる。

52
1. 前各条の規定にかかわらず、本刑法典がそのように決定するときは、生じた損害、犯罪の目的物の価値又はそれによってもたらされる利益に比例して、罰金が設定される。
2. これらの場合、裁判官および裁判所は、犯罪ごとに定められた限度内で、それぞれの場合においてその額を決定するために犯罪行為の軽減・加重事由のみならず、主に有責者の経済状況を考慮して、罰金刑を科す。
3. 判決後、罰金刑を受けた者の経済状況が悪化した場合は、裁判官または裁判所は、例外的に、かつ、経済状況の正当な調査の後に、当該犯罪に法律で定められた限度内で罰金額の減少、または、分割払いを承認できる。
4. 本刑法典が、得た利益、発生した損害、物の価値、または、不当に得た価額に比例する法人に対する罰金刑を予定している場合で、それらのものを基礎として計算できないときは、裁判官または裁判所は、そのような計算に着手するのが不可能と理由付けして、予定される罰金刑は次のもので代替される:
a) 自然人の犯行が5年超の禁固刑を予定している場合は、2年から5年の罰金刑。
b) 自然人の犯行が前号に含まれない2年超の禁固刑を予定している場合は、1年から3年の罰金刑。
c) その他の場合は、6月から2年の罰金刑。

53
1. 罰金刑を受けた者が、自発的にまたは強制執行(apremio)の手段で科された罰金を支払わない場合、不支払い各2日で自由剥奪1日の補充的人的責任に服させられる。軽刑の場合は、常時所在確認刑で執行することができる。この場合、期間に関する第37条の第1項に規定される制限は適用されない。
 また、裁判官または裁判所は、罰金刑を受けた者の同意を得た後、共同体の利益での労働によってその補充的責任を履行するよう決定できる。この場合、自由剥奪1日は労働日1日に相当する。
2. 比例罰金の場合、裁判官と裁判所は、その慎重な裁量に従って、いかなる場合も1年の期間を超えない補充的人的責任を設定する。 また、裁判官または裁判所は、罰金刑を受けた者の合意を得た後、共同体の利益での労働によって履行するよう決定できる。
3. この補充責任は、5年以上の自由剥奪刑に処せられた受刑者には科されない。
4. 補充責任の履行は、受刑者の経済状況が改善しても、罰金を支払う義務を消滅させる。
5. 法人に科された罰金の支払いは、その額が法人の存続または法人の現存する職場を危険に落とす恐れがあるとき、あるいは、公益がそう指摘するとき、5年までの期間で分割にすることができる。法人が、自発的にまたは強制執行の手段で、指定された期間内に科された罰金を支払わない場合、裁判所は罰金全部の支払いまでその監査(intervención)を(するよう)決定できる。
 
5款 付加刑

54
 公権剥奪の刑は、それらを格別に科さないで、法律が他の刑罰にそれらを伴うよう宣言している場合は、付加刑となる。

55
 10年以上の禁固刑は、その刑の期間絶対的公権剥奪を、公権剥奪が当該事件の主刑と規定されている場合を除き、伴う。裁判官は、さらに、親権、後見、保佐または保護の行使についての個別的公権剥奪を、あるいは、親権の剥奪を、これらの権利が犯行と直接関係しているときは、定めることができる。この関連性は判決中に明示的に特定されなければならない。

56
1. 10年未満の禁固刑では、裁判官または裁判所は、犯罪の重大性に応じて、付加刑として次の1個、または、数個を科す:
① 公雇用または公職の停止。
② 刑の期間、被選挙権についての個別的公権剥奪。
③ 公職、公務、職業、職務、諸事業、親権、後見、保佐、保護、その他の権利の行使についての個別的公権剥奪、親権の剥奪、これらの権利が犯行と直接関係しているときで、この関連性が判決中に明示的に特定されている場合。ただし、第579条の規定の適用は害されない。
2. 本条の規定は、これらの刑の賦科に関して本刑法典のその他の規定の適用を害しないものとみなす。

57
1. 裁判官または裁判所は、殺人、堕胎、傷害、自由に反する、拷問、倫理的高潔に反する、人身売買、性的自由・安全、プライバシー、肖像権、住居の不可侵、名誉、財産、社会経済秩序の犯罪において、行為の重大性または犯罪者が表わす危険に留意して、その判決中に第48条に規定される禁止事項の1個または数個を、重罪の場合は10年を超えない期間、少し重罪の場合は5年を超えない期間、科することができる。
 前段に係わらず、受刑者が禁固刑で、裁判官または裁判所が前述の禁止事項の1個または数個を科する場合、判決で科された禁固刑の期間より、重罪の場合は1年から10年、少し重罪の場合は1年から5年長い期間とする。この場合、受刑者は禁固刑と当該禁止を必要的に同時に履行する。
2. 第1項前段に規定される罪で、配偶者または配偶者であった者に対して、または、たとえ同居していなくとも同様な愛情関係で受刑者と結ばれている、または、結ばれていた者に対して、または、血縁、養子縁組または姻族関係での自己、配偶者または同居人の卑属、尊属または兄弟姉妹に対して、あるいは、受刑者と同居している、または、配偶者または同居者の事実上の親権、後見、保佐、庇護または保護(下)に置かれている未成年者または特別な保護が必要な無能力者(discapacidad)に対して、または、家庭に組み入れられて保護されている者に対して、また、その特別な脆弱性(vulnerabilidad)によって公的または私的施設で(受刑者の)保護下に置かれて者に対して、犯された犯罪の場合は、いずれにせよ、第48条第2項の刑の適用が、重罪の場合は10年を超えない期間で、少し重罪の場合は5年を超えない期間で、前項の第2段の規定を害することなく、決定される。
3. また、軽罪と評価される本条第1項前段に記載される罪に対して、6月を越えない期間、第48条に規定される禁止事項を科すことができる。
 
6款 共通条項

58
1. 暫定的に受けた自由剥奪期間は、当該剥奪が決定された訴訟(causa)で科された(自由剥奪)刑の履行について判決裁判官または裁判所によってその全体で算入(abonar)される。ただし、それが(算入された、または、算入されるべき)他の訴訟で受刑者に科された自由剥奪刑に合致した場合を除く。同一の自由剥奪期間は2以上の訴訟で算入されることはできない(?)。
2. 暫定的禁固(期間)のその禁固刑を宣告した訴訟と異なる訴訟への算入は、職権により、または、受刑者の申請により、他の訴訟に算入されていないことを確認して、検察庁の聴聞の後、受刑者が収容されている刑務所を管轄する矯正観察裁判官によって決定される。
3. 他の訴訟への暫定的禁固(期間)の算入は、当該(暫定的禁固の)保安処分が、算入請求される刑を引き起こした犯罪行為の後に行われた場合、適当である。
4. 前規定は、予防的になされた権利剥奪についても適用される。

59
 (受刑者が)被った保安処分と科された刑が異質のものであるときは、裁判官または裁判所は、相殺されたと見なされるその部分で科された刑は執行されたものと命じる。

60
1. 確定判決が宣告された後に、判決の意味を知ることを妨げる重大な精神障害の継続的な状況が受刑者に見られる場合、矯正観察裁判官は、適切な医療を受けることを確保して、科された自由剥奪刑の執行を停止し、このために、いかなる場合でも代替される刑より重くない、本刑法典に規定される自由剥奪保安処分を科すよう決定する。性質が異なった刑の場合、矯正観察裁判官は、受刑者の状況が刑の意味を知ることを許すかどうか評価し、場合に応じて、適当と思料される保安処分を科して、刑の執行を停止する。
 矯正観察裁判官は、本刑法典の追加規定第1の規定の効果のため、刑または保安処分の近い将来の消滅を検察庁に充分な余裕をもって通知する。
2. 受刑者の精神状況が回復した後は、刑が時効にかかっていない場合、(裁判官または裁判所が、公平の観点で、刑の執行が不要になるか非生産的になるかに限り、刑が消滅したと見なせ得る、または、その期間を減少させ得ることは別として)、受刑者は判決を履行する。

 

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

標題ページへ戻る

スペイン刑法典(2015年版)