5章 犯罪に由来する民事責任と訴訟費用

1節 民事責任とその範囲

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1. 法律で犯罪であると記述されている行為の実行は、(各種)法律で規定されている条件で、それによって引き起こされた損害(daño)および損失(perjuicio)を回復させる義務を負わせる。
2. 被害者は、いずれにしても、民事裁判所に対して民事責任を請求することを選択できる。

110
 前条で規定される責任は次のものを包含する:
1. 返還(restitución)
2. 損害の回復。
3. 物質的および精神的損失の賠償。

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1. 可能な限り、裁判官または裁判所が決定する損傷および減損を弁済して、同じ物が返還されなければならない。 物が第三者の所有下にあり、その者が合法的に善意で入手しても、対応する者に対する償還請求権、場合によっては、犯罪の民事責任者から賠償を得る(第三者の)権利は保護されて、(物は)返還される。
2. この条項は、第三者が、返還不能とするために法律が規定する方法および要件でもって物を取得した場合には、適用されない。

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 損害の回復は、裁判官または裁判所が設定する給付義務、作為義務または不作為義務で構成できる。そのとき、裁判官または裁判所は、損害の性質および犯人の人的および財産的条件に留意し、犯人自身によって(義務が)履行されなければならないか、または、自己の費用で実行させ得るか決定する。

113
 物質的および精神的損失の賠償は、被害者に生じたものだけでなく、家族や第三者に引き起こされたものも含む。

114
 被害者が、自己の行動で損害または損失の発生に寄与した場合、裁判官または裁判所は、その回復または賠償の額を緩和することができる。

115
 裁判官および裁判所は、民事責任の存在を宣言したら、その裁決中に損害および賠償の額の基礎を合理的に設定する。自己の裁決中に、または、その執行の時にその額を決めることができる。

 

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)