(第5章 犯罪に由来する民事責任と訴訟費用)
2節 民事責任を負う者

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1. 或る犯罪の刑事責任を負う者は全て、損害または損失がその行為から生じた場合、民事責任を負う。 2人以上が或る犯罪の責任を負う場合、裁判官または裁判所は、各自が負うべき割合を示す。
2. 主犯達および共犯達(cómplices)は、それぞれそのクラス内で、連帯してそれらの割合について責任を負い、また、その他の責任者に対応する割合に補充的に責任を負う。
 補充責任は、最初に、主犯の財産で実現され、次いで、共犯の財産で満足される。
 連帯責任と補充責任が満足される場合、弁済した者の(各人に対応する割合による)その他の者への償還請求権は保護される。
3. 法人の刑事責任には、本刑法典の第110条に規定される条件で、同じ犯行で有罪判決を受けた自然人と連帯して、民事責任を伴う
 
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 いかなる財物、企業、事業または活動の使用または運営に起因する金銭責任の危険を引き受けた保険者(会社)は、本刑法典に規定する行為の結果として保険事故が発生するときは、法的に設定された、または、約定した賠償限度まで直接民事責任を負う。ただし、対応する者への償還請求権を妨げない。
 
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1. 第20条①,,,⑤および⑥で宣言された刑事責任の免除は、次の規定に従って実現される民事責任を包含しない:
① 第20条①と③の場合、刑事責任免除を宣言された者が実行した(犯罪)行為に対して、それらの者をその親権の下に、あるいは、法的または事実的保護の下に置く者は、自身に過失(culpa)または不注意(negligencia)が介在するときは、(民事)責任を負う。ただし、帰責者に対応する直接民事責任を妨げない。
 裁判官または裁判所は、当該各人がその資産で対応すべき程度を公正な方法で調整する。
② 第20条②の場合は、酩酊者と中毒者は等しく責任がある。
③ 第20条⑤の場合、(その利益に)害悪を避けた者は、見積もり可能のとき、避けた損失に比例して、または、その他の場合、裁判官または裁判所がその慎重な判断に従って設定する比率で、直接民事責任を負う。
 利害関係者が対応すべき割合が、裁判官または裁判所によって公正に、近似的にも、指定できない場合、あるいは、責任が公共行政機関に、または、住民の大部分に及ぶ場合、および、いずれにしても、損害が官署(autoridad)またはその職員の同意で引き起こされたときは、場合によって、特別法・規則が定める方式での賠償が決定される。
④ 第20条⑥の場合、主として恐怖を引き起こした者が責めを負う、また、それが存在しなければ、行為者が責めを負う。
2. 第14条の場合、行為者が責めを負う。
 
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 前条の全てのケースで、免除原因のなんらかの存在を認容して無罪判決をする裁判官または裁判所は、民事責任請求訴権の留保が明示された場合を除いて、民事責任を定める。 

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 次の者は、刑事責任を負う者がない場合、民事責任を負う。
① 父母または後見人は、自身に過失または不注意があるときは、その親権または後見に服して同居する18才以上の者が起こした犯罪で発生した損害・損失の責めを負う。
② 出版社、新聞、雑誌、ラジオまたはテレビ局、あるいは、文書的、言語的または視覚的なその他の放送手段を所有する自然人または法人は、第212条の規定を除き、所有している当該手段を使用して犯された犯罪について民事的責めを負う。
③ 自然人または法人は、その所有する施設内で犯された犯罪の民事責任を、その施設を管理する者、または、その従業員または被用者の一部が犯罪行為に関連する警察規則または官署の処置に違反したときで、その違反がなければその犯行が発生しない場合、負う。
④ なんらかの種類の事業活動に従事する自然人または法人は、その被用者、使用人、代理人または管理者がその義務または業務を遂行する際に犯した犯罪に対して、民事責任を負う。
⑤ 第三者に危険をもたらす可能性のある車両を所有する自然人または法人は、その使用人、代理人または許可を与えた者が車両使用中に犯した犯罪に対して、民事責任を負う。
 
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 国、自治州、県、島嶼、市およびその他の公的機関は、場合に応じて、故意犯罪または過失犯罪の刑事責任者が引き起こした損害に、これら責任者が官署(autoridad)、官署の職員および契約者あるいは職務または職能を行使中の公務員であるときで、損害がそれらの者に委任された公的役務の行使の直接の結果である場合、補充的に責任を負う。ただし、行政手続法に従って請求できる当該役務の正常または異常な行使に起因する財産上の責任を妨げない。また、賠償の重複は起こらない。
 刑事手続きにおいて、官署、官署の職員および契約者あるいは公務員の民事責任が請求されている場合は、(補充責任)請求は、補充民事責任があるとする行政機関または公共機関に同時になされなければならない。
 
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 無償名義(título lucrative)で或る犯罪の効果(efectos)を共有した者は、物を返還する、または、その共有量まで損害を賠償する責任がある。

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)