2編 犯罪とその刑罰

1章 殺人罪とその形態

138
1. 他人を殺した者は、(単純)殺人犯(reo de homicidio)として、10年から15年の禁固刑に処せられる。
2. 次の場合、(犯罪)行為は1段階高い刑に処せられる:
a) 第140条第1項のなんらかの事由がその行為に伴うとき、または
b) (犯罪)行為が、さらに第550条の侵害罪(delito de atentado)を構成するとき。

139
 次のなんらかの事由を伴って、他人を殺した者は、(謀殺)殺人犯(reo de asesinato)として15年から25年の禁固刑に処せられる:
① 背信行為を伴って。
② 対価、報酬または契約によって。
③ 意図的および非人間的に被害者の苦痛を高めて、残酷さを伴って
④ 他の犯行を容易にするため、または、犯行の発覚を避けるために。
2. 一個の殺人に前項の事由が2個以上伴うときは、刑はその下限を半分上回らせて科される。

(訳者注:この場合、第66条に示すように、下限が5年引き上げられて20年となる。)

140
1. 次のなんらかの事由が伴うときは、(謀殺)殺人犯は見直し(再審?)可能終身刑(pena de prisión permanente revisable)に処せられる:
① 被害者が16才未満の未成年者である、または、その年齢、疾病または無能力の理由で特に(犯罪)弱者であること。
② (殺人)行為が、殺人者が被害者に加えた性的自由に反する犯罪に引き続いたこと。
③ 犯罪が、犯罪グループまたは組織に属する者により行われたこと。
2. 3人以上の殺人で有罪判決を受けた殺人犯には見直し可能終身刑が科される。この場合、第78条の21b)および同条第2b)の規定が適用される。

140条の2
 本章に含まれる1以上の犯罪の実行で有罪判決を受けた者には、さらに、監視付き釈放処分を科すことができる。

141
 3条に規定される犯罪の扇動、共謀および教唆は、前各条の場合に規定される刑より1または2段階低い刑に処せられる。

(訳者注:刑の計算は第70条参照。)

142
1. 重大な過失により他人の死を引き起こした者は、過失殺人犯として、1年から4年の禁固刑に処せられる。
 過失殺人が自動車またはモーターバイクを使用して行われた場合は、同様に、1年から6年の自動車とモーターバイクの運転権利剥奪刑が科される。
 過失殺人が火器を使用して行われた場合は、同様に、1年から6年の期間、火器携帯または所有の権利剥奪刑が科される。
 殺人が業務上過失で行われた場合は、さらに、職業または職務行使について3年から6年の個別的公権剥奪刑が科される。
2. 少し重い過失で他人の死を引き起こした者は、3月から18月の罰金刑に処せられる。
 殺人が自動車またはモーターバイクを使用して行われた場合は、同様に、3月から18月の自動車とモーターバイクの運転権利剥奪刑を科すことができる。
 殺人が火器を使用して行われた場合は、同様に、3月から18月の期間、火器携帯または所有の権利剥奪刑を科すことができる。
 本項に規定する犯罪は、被害者またはその法定代理人の告発によってのみ訴追できる。

143
1. 他人の自殺を誘発する者は、4年から8年の禁固刑に処せられる。
2. 人の自殺に必要な行為に協力する者には、2年から5年の禁固刑が科される。
3. 協力が死を実行する点に達した場合は、6年から10年の禁固刑に処せられる。
4. 被害者が、必然的に死をもたらす、または、永続的かつ忍耐が困難な重い苦しみを引き起こす重大な疾病に罹患している場合、その者の明示的、真摯な、かつ、明白な願いで、死を引き起こした、または、死に必要かつ直接の行為で積極的に協力した者は、本条第23項に規定される刑より1または2段階低い刑に処せられる。

 

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)