15章 労働者の権利に反する罪

311
 次の者は、6月から6年の禁固刑および6月から12月の罰金刑に処せられる:
① 偽計または窮乏状況の濫用によって、法律の規定、労働協約または個人的契約によって認められた権利を損なう、抑止するまたは制限する労働条件または社会保障条件を自己に仕える労働者に科す者。
② 対応する社会保障制度においてその加入届けなしに、または、場合に応じて、対応する労働許可を得ないで、複数の労働者を同時に雇用する者。影響を受ける労働者数が少なくとも次の場合:
a) 100人超の労働者を雇用する企業または作業所で、25%の労働者。
b) 10人超で100人以下の労働者を雇用する企業または作業所で、50%の労働者。
c) 5人超で10人以下の労働者を雇用する企業または作業所で、労働者全員。
③ 企業譲渡の場合で、前各号に記載される方法(procedimiento)を知って、他人が科した当該条件を維持する者。
④ 前各号で示される行為が暴力や威嚇を伴って行われた場合、1段階高い刑が科される。

311条の2
 次の者は、本刑法典の他の規定でより重い刑に処せられている場合を除いて、3月から18月の禁固刑または12月から30月の罰金刑に処せられる:
a) 反復して、労働許可を持たない外国人を雇用し、または、それに仕事を与える者。
b) 労働許可を持たない未成年者を雇用し、または、それに仕事を与える者。

312
1. 不法に労働者を取引する者は、2年から5年の禁固刑および6月から12月の罰金刑に処せられる。
2. 雇用あるいは偽計または虚偽の労働条件を提供して、人を募集する、または、職場を離れることを決心させる者、また、法律の規定、労働協約または個人的契約によって認められた権利を損なう、抑止する、または、制限する労働条件でもって労働許可を持たない外国人を雇用する者には、同じ刑が科される。

313
 契約または就職を偽装して、または、他の同様な偽計を用いて、ある人に他国への移住を決心させた、または、容易にした者は、前条の刑に処せられる。

314
 公的または私的雇用において、ある人に対して、そのイデオロギー、宗教または信条、ある民族へ帰属、人種または国籍、性別、性的指向、家族状況、病気または障害の理由により、労働者の法定または組合代表を誇示することにより、企業の他の労働者との親族関係により、または、スペイン国内でのなんらかの公用語の使用により、重大な差別を生じさせ、また、差止め請求または行政罰の後で法の下での平等の状態を、引き起こされた経済的損害を回復して、再生しない者は6月から2年の禁固刑または12月から24月の罰金刑に処せられる。

315
1.  偽計または窮乏状況の濫用によって、組合自由の行使を、または、ストライキ権を阻害または制限した者は、6月から2年の禁固刑または6月から12月の罰金刑に処せられる。
2. 前項に示された行為が強制力で行われた場合、19月から3年の禁固刑または18月から24月の罰金刑に処せられる。
3. グループでまたは個人で行動し、しかし、他の者に従って、他人にストライキ開始または継続を強制する者は、19月から3年の禁固刑または18月から24月の罰金刑に処せられる。

316
 労働災害防止規則に違反し、法的に義務付けられていて、労働者が適切な安全衛生措置を講じてその活動を行うために必要な手段を提供しないで、その生命または身体に重大な危険を与える者は、6月から3年の禁固刑および6月から12月の罰金刑に処せられる。

317
 前条の犯罪が重大な過失によって犯されたときは、1段階低い刑に処せられる。

318
 本章の各条に規定される行為が法人に帰属されたときは、当該刑は、それら行為の責任を負った管理者または役務担当者に科せられる、また、それら行為を知って、是正できたが、その措置を講じなかった者に科される。これらの場合、司法当局は、更に、本刑法典第129条に規定される措置のなんらかを命じることができる。

 

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)