17章 集団的安全保障に反する犯罪

1節 壊滅的危険の犯罪

第1款 核エネルギーおよびイオン放射線に関する犯罪

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 人およびその財物を危険にさらす核エネルギーまたは放射性元素を放出する者は、例え、爆発しなくとも、15年から20年の禁固刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について10年から20年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

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 前条には含まれていなくて、人の生命または健康に重大な危険状態を引き起こして、原子力または放射線施設の機能を攪乱する者、または、イオン放射線製造材料または装置が介在する業務の展開を混乱させる者は、4年から10年の禁固刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について6年から10年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

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1. 大気、土壌または水の中へのある量のイオン放射線材料の注入、放射または導入、または、他の手段による当該放射線への曝露を介して、1人またはそれ以上の人の生命、身体、健康または財物を危険にさらす者は、6年から12年の禁固刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について6年から10年の個別的公権剥奪刑に処せられる。この行為を介して、大気、土壌または水の品質あるいは動物または植物を危険に置くときは、同じ刑が科される。
2. 前項に述べられる行為の際に、規定される危険の他に、犯罪を構成する損害が発生したときは、その深刻さがいかなるものであっても、裁判官または裁判所は、刑をその下限を半分上回らせて科して、最も重く処罰される(刑事)違反とだけ評価する(?)
3. 第31条の2の規定に従って、法人が、本条に含まれる犯罪に責任があるときは、2年から5年の罰金刑が科される。
 66条の2の規則に留意して、同様に、裁判官および裁判所は第33条第7項のb)からg)に規定される刑を科すことができる。

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 前各条に規定される行為は、重大な過失で行われたときは、それぞれの場合において、1段階低い刑に処せられる。

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1.  法律または他の一般規定に違反して、人に死亡または重大な傷害を、または、大気、土壌または水の品質または動物または植物に重大な損失を引き起こす、または、引き起こす可能性のある核材料または他の危険な放射線物質を、取得、所有、取引、供与、処理(tratar)、転換、利用、保管、輸送または排出(eliminar)する者は、1年から5年の禁固刑、6月から18月の罰金刑、および、職業あるいは職務について1年から3年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
2. 正当な許可なしに、そのような材料または物質を製造した者は、1段階高い刑に処せられる。
3. 前各項に係わる行為が重大な過失で行われた場合は、それらに示される刑より1段階低い刑が科される。

第2款 惨害(estragos)の罪

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1. 爆発を引き起こしたり、または、同様の破壊力を持つなんらかの他の手段を使用したりして、空港、港湾、駅舎、建物、公共施設、可燃性または爆発性材料を有する貯蔵所、交通路または包括的輸送手段の破壊、船舶の沈没または座礁、洪水、鉱山または工業施設の爆発、鉄道車線の除去(levantamiento)、交通手段の安全のために使用される信号機の悪意の変更、橋の爆破、道路または交通手段の破壊、油送管の損傷、あるいは、水、電気、炭化水素または他の基本的資源供給の中断を引き起こした者は、これら惨害が必要的に人の生命または身体に危険を伴ったときは、10年から20年の禁固刑に処せられる。
2. このような危険が伴わなかったときは、4年から8年の禁固刑に処せられる。
3. 危険以外に、人の生命、身体または健康に傷害を与えた場合は、当該行為は別個に犯行に対応する刑に処せられる。

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 重大な過失により惨害の罪を誘起した者は、1年から4年の禁固刑に処せられる。

3款 爆発物および他の薬剤で誘起される他の危険犯罪

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1. 惨害を引き起こす可能性のある、爆発物、可燃性、腐食性、毒性および窒息性物質、いかなる他の物質、機器または装置の製造、操作、輸送、所有または商業化において、人の生命、身体、健康または環境を危険にさらして、安全法規または設定された保安処分に違反した者は、6月から3年の禁固刑、12月から24月の罰金刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について6年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。不法にオゾン層の破壊物質を製造、輸入、輸出、商業化または使用する者には、同じ刑が科される。
2. 惨害を引き起こす可能性のある爆発物の監視、統制および使用責任者で、爆発物に関する法令に違反して、その(爆発物の)実効的紛失または盗難を引き起こした者は、6月から3年の禁固刑、12月から24月の罰金刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について6年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
3. 前各項に含まれるケースで、第31条の2の規定に従って、法人が行為に責任があるときは、1年から3年の罰金刑が科される。ただし、発生した損害が明らかになり、その額が(前述の罰金より)大きい場合を除く。この場合、罰金は、当該損害額の2倍から4倍となる。
 66条の2の規則に留意して、同様に、裁判官および裁判所は第33条第7項のb)からg)に規定される刑を科すことができる。
 前各項に規定される刑は、社団、会社、組織または採掘所(explotación)の役員、管理者または責任者には、その下限を半分上回らせて科される。
4. 惨害を引き起こす可能性のある爆発物に関連する工場、作業所、交通手段、保管所およびその他の施設の責任者は、次の行為の何らかが伴うときは、6月から1年の禁固刑、6月から12月の罰金刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について3年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
a) 爆発物に関する行政機関の検査活動を妨害する。
b) 爆発物に関する義務的安全対策履行に関する重要情報を偽造または行政機関に隠匿する。
c) 爆発物の安全に関して発見された重大な異常状態を補正するための行政機関の明示的命令に従わない。

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 有機体(organismos)の操作、輸送または所有において、人の生命、身体、健康または環境を危険にさらして、安全法規または設定された保安処分に違反した者は、6月から2年の禁固刑、6月から12月の罰金刑、および、公雇用または公職、職業あるいは職務について3年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

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 316条の規定を害することなく、井戸または掘削の開通、建物、ダム、運河または同様な建造物の建築または解体、あるいは、それらの保存、調整または保全において、設定された安全規範に、その不遵守が破局的結果をもたらす可能性がある、また、人の生命、身体または環境に明確に危険をもたらす場合、違反する者は、前条に規定される刑に処せられる。

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)