(第19章 公的行政に反する罪)
5章 収賄(cohecho)の罪

419
 自己または第三者の利益のため、その職務行使において自己に固有の義務に反する行為をするために、または、行なうべき行為を不正に行なわないまたは遅延させるために、自らまたは介在する人によってあらゆる種類の贈答、恩恵または応報(retribución)を受領または要求した官署または公務員、または、申し出または約束(promesa)を引き受けた官署または公務員は、3年から6年の禁固刑、12月から24月の罰金刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について9年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。ただし、報酬または約束のために実行、懈怠または遅延された行為に、それが犯罪を構成した場合、対応する刑を害しない。

420
 自己の職務に固有の行為をするために、自己または第三者の利益のため、自らまたは介在する人によってあらゆる種類の贈答、恩恵または応報を受領または要求した官署または公務員、あるいは、申し出または約束を引き受けた官署または公務員は、2年から4年の禁固刑、12月から24月の罰金刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について5年から9年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

421
 贈答、恩恵または応報が、それぞれの場合に、当該条に規定される行為の報酬として、官署または公務員により受領または要求されたときは、また、前数条に規定された刑が科される。

422
 自己または第三者の利益のため、自己の職務または権能を勘案して提供された贈答または贈与を自らまたは介在する人によって受理した官署または公務員は、6月から2年の禁固刑、および、公雇用および公職の1年から3年の停止刑に処せられる。

423
 前数条の規定は、同じく、裁判上指名された陪審員、仲裁人、調停人、鑑定人、管理人(administrador)または会計検査人、破産管財人、または、公的機能行使に参加するいかなる者に、適用される。

424
1. 官署、公務員または公的機能行使に参加する者に、その職務に固有の義務に反する行為またはその職務に固有の行為をするために、実行すべきであった行為を実現させないまたは遅延させるために、または、その職務または権能を考慮して、贈答または他のいかなる種類の応報を申し出た、または、提供した私人は、官署、公務員または収賄した者と同じ禁固刑と罰金刑に処せられる。
2. 官署、公務員または公的機能行使に参加する者の要請に応えて、贈答または応報を提供した私人には、それらの者に対応する禁固刑および罰金刑が科される。
3. 官署または公務員から得られた、または、その企画(pretender)された行為が、契約、補助金、または、行政機関または公的組織により召集される入札(subasta)の手続きに関係があった場合は、当該私人に、また場合に応じて、その者が代表する会社、団体または組織に、補助金または公的支援を得ることについて、公的セクターを形成する組織、機関または団体と契約することについて、また、税務の利益またはインセンティブあるいは社会保障を享受することについて、5年から10年の公権剥奪刑に処せられる。

425
 賄賂が被告人の利益のために、その配偶者の側により、愛情と同様な関係により安定的に結びついている他の者により、または、自然血縁、養子縁組によるなんらかの尊属、卑属または兄弟姉妹または同じ親等の姻族の側により、刑事訴訟に介入した場合は、贈賄者に6月から1年の禁固刑が科される。

426
 官署または公務員の贈答または他の応報の要求にたまたま応えて、その行為を、その捜査に着手する義務のある当局に、着手開始の前に告発した私人は、贈賄犯罪に対する刑を、行為の時から2月を経過していなかった場合、免除される。

427
 前数条の規定は、行為が次の者に帰せられる、または、影響するときは、また、適用される:
a) 任命または選挙により、欧州共同体のある国または他のいかなる外国の立法、行政または司法の職務または雇用を有するいかなる者。
b) 公的組織または公的企業を含んで、欧州共同体のある国または他のいかなる外国のために、また、欧州共同体または他の公的国際組織のために、公的権能を行使するいかなる者。
c) 欧州共同体または他の公的国際組織のいかなる公務員または職員。

427条の2
 31条の2の規定に従って、法人が、本節に含まれる犯罪に責任があるときは、次の刑が科される:
a) 自然人により行われた犯罪が5年超の禁固刑を予定している場合、2年から5年の罰金刑、または、得た利益の3倍から5倍の罰金刑(額が結果的に多かったとき)。
b) 自然人により行われた犯罪が、前段に含まれない2年超の禁固刑を予定している場合、1年から3年の罰金刑、または、得た利益の2倍から4倍の罰金刑(額が結果的に多かったとき)。
c) その他の場合、6月から2年の罰金刑、または、得た利益の2倍から3倍の罰金刑(額が結果的に多かったとき)。
 第66条の2の規則に留意して、同様に、裁判官および裁判所は第33条第7項のb)からg)に規定される刑を科すことができる。

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)