(第19章 公的行政に反する罪)
7節 (公金)横領の罪

432
1. 公的財産の上に第252条の犯罪を行なった官署または公務員は、2年から6年の禁固刑、公雇用または公職および被選挙権の行使について6年から10年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
2. 公的財産の上に第253条の犯罪を行なった官署または公務員には、同じ刑が科される。
3. 前2項に係わる行為に次の事由のなんらかが伴った場合は、4年から8年の禁固刑、および、10年から20年の絶対的公権剥奪刑が科される:
a) 公的サービスに重大な損害または遅滞を生じさせた、または、
b) 発生した損害の額、または、横領された財物(bienes)または財産(efectos)の額が、5万ユーロを超えた。
 発生した損害の額、または、横領された財物または財産の額が、25万ユーロを超えた場合は、刑は、1段階高い刑に至る可能性をもって、その下限を半分上回らせて科される。

433
 前条に係わる行為は、発生した損害の額、または、横領された財物または財産の額が4千ユーロ未満のときは、1年から2年の禁固刑、31日から12月の罰金刑に処せられ、いずれにしても、公雇用または公職および被選挙権について1年から5年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

433条の2
1. 所属する公的組織に経済的損害を生じさせやすい方法で、また、第390条に規定されるケース以外で、その会計帳簿、その経済状況を反映すべき書類、または、それらに含まれる情報を偽造した官署または公務員は、公雇用または公職について1年から10年の個別的公権剥奪刑、および、12月から24月の罰金刑に処せられる。
2. 所属する公的組織に経済的損害を生じさせやすい方法で、第三者にその組織の経済状況に関する虚偽の情報あるいは前項に係わる書類または情報を提供した官署または公務員は、同じ刑に処せられる。
3. 組織に経済的損害を生じさせるに至った場合は、1年から4年の禁固刑、公雇用または公職について3年から10年の個別的公権剥奪刑、および、12月から24月の罰金刑に処せられる。

434
 本節に類型化される行為のなんらかの有責者が、公的財産に生じた損害を有効的かつ完全に修復した場合、または、他の有責者の特定または逮捕のための、または、犯罪行為の完全な解明のための決定的証拠を得るために、当局またはその職員と積極的に協力した場合は、裁判官および裁判所は、本罪の有責者に1または2段階低い刑を科す。

435
 本節の規定は次の者に拡張される:
① 公的行政機関のいかなる種類の資金、収入または財産を担当する者。
② 公金または公財産の受寄者として法的に指定された私人。
③ 例え、私人であっても、公的当局によって差し押さえられた、押収された、または、寄託された金銭または財物の管理者または受寄者。
④ 破産財団または債権者の経済的利害(intereses)に関連する破産管財人。特に、法律で規定される債権弁済の順序が故意に変更されたときは、債権者の利害が影響を受けたとみなされる。

 

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)