(第19章 公的行政に反する罪)
9節 公務員に禁じられている取引および活動、およびその職務行使の濫用の罪

439
 自己の職務のためにいかなる種類の契約、事案、取引または活動に介入しなければならない官署または公務員であって、それらの取引または活動に、自己または人を介して、直接または間接になんらかの形での参加を強制するまたは得るためにその立場を利用する者は、6月から2年の禁固刑、12月から24月の罰金刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について2年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

440
 鑑定人、仲裁人および公認会計士であって、(それらが)その評価、分配または裁定に介入した財物または物について前条に規定される態様を行なった者、および、後見人、保佐人または遺産分割人であって、その被後見人に所属している物または遺産について前条に規定される態様を行なった者、破産管財人であって、破産財団を構成する財物および権利について前条に規定される態様を行なった者は、12月から24月の罰金刑、および、場合に応じて、公雇用または公職、職業または職務、保護、後見または保佐について3年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。ただし、当該行為が、本刑法典の他の規則でより重い刑で処罰されている場合を除く。

441
 法律または規則で認められた場合を除き、自らまたは他人を介して、民間企業または個人企業の下で、または、それらへの役務提供で、その専門的活動または永続的または一時的コンサルタント活動を、その職務のために介入すべき、または、介入した事案において、または、差し向けられたまたは所属する事務所または管理センターで扱われる、形成される、または、解決される事案において、行なった官署または公務員は、6月から12月の罰金刑、および、公雇用または公職について2年から5年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

442
 自ら又は第三者のために経済的利益を得る意思を持って、自己の職務により知見を得る秘密または特権的情報を使用する官署または公務員は、追求した、得られたまたは提供された利益の同額から3倍の罰金刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について2年から4年の個別的公権剥奪刑に処せられる。追求した利益を得た場合は、1年から3年の禁固刑、追求した、得られたまたは提供された利益の同額から6倍の罰金刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について4年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
 公益または第三者に重大な損害が生じた場合は、刑は、1年から6年の禁固刑、および、公雇用または公職および被選挙権の行使について9年から12年の個別的公権剥奪刑となる。   
 本条の効果にため、特権的情報とは、公職により排他的に得られ、かつ、通知、公表または開示されてなかった特定の情報全部と解される。

443
1. 自己のため、または、その配偶者または愛情と同様な関係により安定的に結びついている他の者のため、あるいは、自然血縁、養子縁組によるなんらかの尊属、卑属または兄弟姉妹または(それらと)同じ親等の姻族のために、(官署または公務員の)決定に係わる申請事案、または、(官署または公務員が)上長に報告すべき、または、相談すべき申請事案を有する者に性的に言い寄った(solicitar)官署または公務員は、1年から2年の禁固刑、および、6年から12年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。
2. 自己の保護下にある者に性的に言い寄った、刑務所あるいは未成年者の保護または矯正センターの職員は、1年から4年の禁固刑、および、6年から12年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。
3. 言い寄られた者が、その(職員の)保護下にあった者の自然血縁、養子縁組による尊属、卑属または兄弟姉妹または(それらと)同じ親等の姻族であったときは、同じ刑に処せられる。同様に、言い寄られた者が、その(職員の)保護下にある者の配偶者であるとき、または、愛情と同様な関係により安定してその(保護下にある)者に結びついているときは、同じ刑に処せられる。

444
 前条に規定される刑は、実際行なわれた性的自由に反する犯罪に対応する刑を害することなく、科される。

 

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通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)