21章 憲法に反する罪

1節 反乱の罪

472
 以下の目的のなんらかのために暴力的かつ公然に蜂起した者は、反乱罪の犯人である:
① 憲法の全部または一部を抹消、停止、改正する。
② 国王あるいは摂政または摂政職のメンバーからその特権および権限を、全部または一部、剥奪または侵奪する、または、その意思に反する行為を強制する。
③ 公職のための選挙の自由開催を妨害する。
④ 国会、下院、上院または自治州のいかなる立法議会を解散させる、それらが集会する、討議するまたは決議することを妨害する、それらにある決議をさせる、または、それらの属性または権限のなんらかを奪う。
⑤ 国家領土の一部の独立を宣言する。
⑥ 国の政府または自治州政府(Consejo de Gobierno)を別のものに置き換える、または、自己によって使用または行使する、または、国の政府または自治州政府あるいはそれらのメンバーのいかなる者からその権限を剥奪する、または、それらの者にその自由な行使を妨害または制限する、または、その意思に反する行為をなすことをそれらのいかなる者に強制する。
⑦ 政府の従属からいかなる種類の武力を取り去る(sustraer)

473
1. 反乱者を誘導して反乱を開始(promover)した、または、維持する者、および、反乱の首魁(jefes principales)は、15年から25年の禁固刑、および、同じ期間の絶対的公権剥奪刑に処せられる;従属的指揮を行使する者は、10年から15年の禁固刑、および、10年から15年の絶対的公権剥奪刑に処せられる;単なる参加者は、5年から10年の禁固刑、および、公雇用または公職について6年から10年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
2. 武器が使用された場合、あるいは、その指揮下の武力と正当な権威に忠実なセクターとの間で戦闘が行われた、または、反乱が、公的または私的財産に大損害をもたらした、電信電話、無線通信、鉄道その他の交通を遮断した、人に対して重大な暴力を行使した、寄付を要求した、または、公金をその正当な使途(inversión)から横領した場合は、禁固刑は、それぞれ、(前項の)第1群には、25年から30年、第2群には15年から25年、第3群には10年から15年となる。

474
 反乱が知られた首魁により組織されていなかったときは、事実上他人を指導する、または、主導権を持っている、発布される文書にその名で署名する、または、指揮または代表に類似する他の行為をなす者は、首魁とみなされる。

475
 反乱罪を犯すために、軍隊またはなんらかの武力を誘った、または、集めた者は、反乱者として、5年から10年の禁固刑、および、6年から12年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。
 反乱が発効した場合は、首魁(promotor)とみなされ、第473条に規定される刑が科される。

476
1. その指揮下にある武装勢力において反乱を抑えるために自己の力の及ぶ範囲内にある手段を使わなかった軍人は、2年から5年の禁固刑、および、6年から10年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。
2. 反乱罪実行に係わることを知見して、直ちに、その上長、または、その職務により当該犯罪を訴追する義務がある官署または公務員に告発しない軍人は、前項に規定される同じ刑にその上限を半分下回らせて処せられる。

477
 反乱実行のための扇動、共謀および教唆は、前数条に規定される公権剥奪刑に加えて、対応する刑より1から2段階低い刑に処せされる。

478
 本節に規定される犯罪のなんらかを犯す者が官署(autoridad)を構成している場合は、各場合に規定されている公権剥奪刑は、15年から20年の絶対的公権剥奪刑で代替される。ただし、そのような事由が、問題の刑類型で特別に考慮されている場合を除く。

479
 反乱が表明された後で、政府当局(autoridad gubernativa)は反乱者に直ちに解散し、撤退するように請求する。
 反乱者が、その請求の後、直ちにその行為を止めなかった場合は、当局は、解散させるために有する実力を使用する。
 当該請求は、反乱者が砲火を開く瞬間から、必要としない。

480
1. 反乱罪に関係していて、その結果を避け得る時間内にそれを暴露した者は、刑を免除される。
2. 正当な当局に服して、武器を使用する前に捨てる単なる(反乱)実行者には、1段階低い禁固刑が適用される。反乱者が(当局の)請求前に、または、その結果で、解散した、または、正当な当局に服した場合は、同じ刑が科される。

481
 ある反乱において、または、それを原因として犯された特定の犯罪は、本刑法典の規定に従って、それぞれ処罰される。

482
 反乱に抵抗しなかった官署は、12年から20年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。

483
 反乱者の指揮下で自己の職務執行を継続する、または、自己の職務の辞職が承認されていなくて、反乱の危険があるときに、職務を放棄する公務員は、公雇用または職務について6年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

484
 反乱者の雇用(提供)を受け入れた者(公務員?)は、6年から12年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)