(第21章 憲法に反する罪)
3節 国の制度および権力分立に反する罪

第1款 国の制度(instituciones del Estado)に反する罪

492
 王位が空位となった時に、または、その資格者(Titular)がその権威行使を剥奪されている時に、摂政職または未成年の資格者の後見人を指名するための国会召集を妨げた者は、10年から15年の禁固刑、および、10年から15年の絶対的公権剥奪刑に処せられる。ただし、他のより重大違反の実行に対応する刑を害しない。

493
 公然とは反乱しないで、実力、暴力または威嚇をもって、下院、上院または自治州のある立法議会の本部(sede)に侵入した者は、(議会)召集中の場合は、3年から5年の禁固刑に処せられる。

494
 下院、上院または自治州の立法議会の本部の前で、召集中に、その正常な機能を変えさせて、示威運動または他の種類の集会を組織(promover)、指揮または統括する者は、6月から1年の禁固刑または12月から24月の罰金刑に処せられる。

495
1. 公然とは反乱しないで、武器または他の危険物を携帯して、下院、上院または自治州の立法議会の本部に、自らまたは集団的に請願を提出するために、侵入を図った者は、3年から5年の禁固刑に処せられる。
2. 前項に規定される刑は、当グループを組織、指揮または統括する者には、その下限を半分上回らせて科される。

496
 国会または自治州の立法議会を、開会中に、または、その委員会のなんらかを、(国会等を)代表する公的行為において、著しく侮辱した者は、12月から18月の罰金刑に処せられる。
 前段に規定される侮辱罪の帰責者は、第210条に規定される事由が満たされる場合は、刑を免除される。

497
1. 下院議員、上院議員または自治州の立法議会議員ではなくて、その会議の秩序を著しく乱す者は、6月から1年の禁固刑に処せられる。
2. 前項に係わる会議の秩序の乱れが著しくないときは、6月から12月の罰金刑が科される。

498
 下院議員、上院議員または自治州の立法議会議員がその会議に参加することを阻止するために、実力、暴力、威嚇または脅迫を用いた者、または、同じ手段で、それらの議員の自由な発言またはその議決の発出を妨げた者は、3年から5年の禁固刑に処せられる。

499
 国会または自治州の立法議会の不可侵性(inviolabilidad)を破った官署または公務員は、公雇用または公職について10年から20年の個別的公権剥奪刑に処せられる。ただし、当該行為が他のより重い犯罪を構成する場合にその者に対応する刑を害しない。

500
 国会または自治州の立法議会の議員を、現行の法律で設定されるケース以外で、または、現行の法律で設定される要件なしに、逮捕した官署または公務員は、場合に応じて、本刑法典に規定される刑にその下限を半分上回らせて処せられ、さらに、公雇用または公職について6年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

501
 国会または自治州の立法議会の議員を、現行の法律で設定される要件なしに、訴追(inculpar)または起訴(procesar)した司法官署(autoridad judicial)は、公雇用または公職について10年から20年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

502
1. 法的に要請されて、また、警告の下で、国会または自治州の立法議会の調査委員会に出頭しなかった者は、不服従罪の犯人として処罰される。犯人が官署または公務員であった場合は、さらに、公雇用または公職について6月から2年の停止刑が科される。
2. 護民官(Defensor del Pueblo)、会計検査院または自治州の同様な組織の調査を、これらが要求した情報の送付を不当に遅延して、または、そのような調査に必要な行政文書または書類へのアクセスを困難にして、妨害した官署または公務員は同じ刑に処せられる。
3. 議会調査委員会に召喚され、その証言で真実を欠いた者は、6月から1年の禁固刑または12月から24月の罰金刑に処せられる。

503
 次ぎの者は、2年から4年の禁固刑に処せられる:
① 閣議または自治州の政府評議会(Consejo de Gobierno)が設置されている場所に、暴力または威嚇をもって侵入する者。
② 閣議で集まっている政府の、または、評議会で集まっている自治州政府のメンバーの自由を制限する、または、なんらかの手段で妨害する者。ただし、当該行為が、他のより重い犯罪を構成する場合を除く。

504
1. 国の政府、司法全体会議、憲法裁判所、最高裁判所、または、自治州の政府評議会または高等裁判所(Tribunal Superior de Justicia)を著しく中傷、侮辱または脅迫する者は、12月から18月の罰金刑に処せられる。
 前段の規定による中傷または侮辱の犯人は、本刑法典第207条および第210条にそれぞれ規定される事由がある場合は、刑を免除される。
 これらの組織のメンバーがそれぞれの会議に出席することを妨げるために、実力、暴力または威嚇を用いる者には3年から5年の禁固刑が科される。
2. 軍隊、Clasesまたは治安部隊を著しく侮辱または脅迫した者は、12月から18月の罰金刑に処せられる。
 前段の規定による侮辱の犯人は、本刑法典第210条に規定される事由がある場合は、刑を免除される。

505
1. 地方公共団体(corporación local)のメンバーではなくて、その本会議への出席、予定された議事日程の展開、議決の採択を妨害して、本会議の秩序を著しく混乱させる者、または、テロ組織またはグループへの支持を表明する目的を持つ無秩序を引き起こす者は、6月から1年の禁固刑に処せられる。
2. テロ組織またはグループの存在に庇護されて、地方公共団体のメンバーを中傷、侮辱、強制または脅迫する者は、行なった犯罪に対応する刑より1段階高い刑に処せられる。

2款 職務権限詐称の罪

506
 その職務権限を欠いて、ある一般的な措置を指示した、または、その執行を中断した官署または公務員は、1年から3年の禁固刑、6月から12月の罰金刑、および、公雇用または公職について6年から12年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

506条の2 削除 2005622日基本法 

507
 自己に欠けていた行政職務権限を不正取得した、または、それら権限を有する者によるその正当行使を妨害した裁判官または司法官は、6月から1年の禁固刑、3月から6月の罰金刑、および、公雇用または公職について1年から3年の個別的公権剥奪刑に処せられる。
508
1. 司法職務権限を不正取得した、または、権限ある司法当局が言い渡した決定の行使を妨害した官署または公務員は、6月から1年の禁固刑、3月から6月の罰金刑、および、公雇用または公職について1年から3年の停止刑に処せられる。
2. 憲法で保障される裁判官または司法官の独立を、それらが審理している訴訟行為に関してそれらの者に指示、命令または請求を発して、侵害した官署、行政官または軍人は、1年から2年の禁固刑、4月から10月の罰金刑、および、公雇用または公職について2年から6年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

509
 適法に(職務)停止を請求されて、対応する管轄競合(conflicto jurisdicción)が決定されるのを待たずに、訴訟手続きを継続した裁判官、司法官、官署または公務員は、法律で許可される場合を除いて、3月から10月の罰金刑、および、公雇用または公職について6月から1年の個別的公権剥奪刑に処せられる。

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)