(第23章 反逆罪、国の平和または独立に反する罪、および、国防に関する犯罪)
2節 国家の平和または独立を危うくする犯罪

589
 国家の独立または安全を撹乱する、スペインの法律遵守に対立する、または、その不遵守を扇動する外国政府の指図(orden)、指令(disposición)または文書のいかなるものをスペインで公表または実行した者は、1年から3年の禁固刑に処せられる。

590
1. 違法行為でもって、または、正当に許可されていない行為でもって、他の勢力側からのスペインに対する戦争宣言を扇動または原因付けた者、または、スペイン人にその人身または財物に侮辱または報復を体験させた者は、(その者が)官署または公務員の場合は、8年から15年の禁固刑に処せられ、そうでない場合は、4年から8年の禁固刑に処せられる。
2. 戦争が宣言されるに、また、侮辱または報復が効果を持つに至らなかった場合は、それぞれ、1段階低い刑が科される。

591
 スペインが介入していない戦争の間に、国の中立性を危険に置くいかなる行為を実行した、または、中立性維持のために政府が布告した規則(disposicioens)に違反した者は、それぞれの場合に応じて、前条に規定される同じ刑に処せられる。

592
1. 国家の権威を損なう、または、スペインの尊厳や重大な利益を危険に置く目的で、外国政府、その職員、または、国際または外国グループ、組織または団体といかなる種類の通謀(inteligencia)または関係を維持した者は、4年から8年の禁固刑に処せられる。
2. 戦争または反乱を誘発する意図で前項に係わる行為を行なった者は、本刑法典第581条、473条または第475条に従って、ケースに応じて、処罰される。

593
 スペイン国と他の敵国との間、または、その交戦軍隊の間で合意された休戦(tregua)または停戦協定を侵害した者には、8年から15年の禁固刑が科される。

594
1. 戦争時に、国家の信用や国家の利益を損なうことを目的とした偽りのニュースまたは噂を伝達または流布させたスペイン人は、6月から2年の禁固刑に処せられる。
2. 前項に含まれる行為のなんらかをスペイン領で行った外国人は、同じ刑に処せられる。

595
 適法に譲許された許可なしに、スペイン内で外国勢力のために軍を起こした(levantar tropas)者は、提案する目的、または、それが敵対しようとする国の如何に係わらず、4年から8年の禁固刑に処せられる。

596
1. 戦争時に、また、国家の平和、安全または独立を危険に置く目的で、政府がそれを禁止したときに、敵国と通信した、または、その軍隊に雇用された者は、1年から5年の禁固刑に処せられる。通信の中に敵が利用できた通知またはニュースがあった場合は、8年から15年の禁固刑が科される。
2. 例え、法律を回避するために、通信を友好国または中立国を通して宛てても、本条に含まれる犯罪を実行した者は、同じ刑に処せられる。
3. 犯人がその通知またはニュースでもって敵に奉仕することを図った場合、第583条③号または④号に含まれると推定される。

597
 政府が禁止しているとき、スペイン領内に居て、敵国に行った、または、行こうと図ったスペイン人または外国人は、6月から12月の罰金刑に処せられる。

 

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)