(第24章 国際共同体に対する犯罪)
2節の2 人道に反する犯罪(delitos de lesa humanidad)

607条の2
1. 民間住民(población civil)に対して、または、その一部に対して、広範なまたはシステム的攻撃の一部として次項に規定される行為を行なう者は、人道に反する犯罪者である。
 いずれにしても、次の理由による行為の実行は人道に反する犯罪とみなされる:
① 被害者が、政治的、人種的、国民的、民族的、文化的、宗教的原因により、性別、障害の原因により、または、国際法に従うと普遍的に許容できない他の原因により、迫害される集団または団体に所属する理由で。
② ある人種集団の他の人種集団の上へのシステム的抑圧および支配の制度化された体制の背景において、および、その体制維持の意図をもって。
2. 人道に反する犯罪者は次のように処罰される:
① なんらかの人の死亡を引き起こした場合、見直し可能終身刑。
② 強姦(violación sexual)を犯した場合、12年から15年の禁固刑。行為が他の性的侵害(agresión sexual)を構成した場合は、4年から6年の禁固刑。
③ その第149条に規定する傷害のなんらかを生じさせた場合、12年から15年の禁固刑。人を、その生命を危険に置く、または、その健康を著しく撹乱する生存状況に服させしめた場合、または、第150条に規定する傷害のなんらかを生じさせたとき、8年から12年の禁固刑。第147条の傷害罪のなんらか犯した場合、4年から8年の禁固刑。
④ 国際法により認められる原因がなく、放逐(expulsión)または他の強迫行為を介して、実力で、一人以上の人を他国または他の場所に国外追放または移送した場合、8年から12年の禁固刑。
⑤ 住民の民族構成を修正する意図をもってある婦人の懐胎を強制した場合、6年から8年の禁固刑。ただし、場合に応じて、他の犯罪に対応する刑を害しない。
⑥ 人の強制された失踪の場合、12年から15年の禁固刑。逮捕、拘禁(detención)または他のいかなる形式での自由剥奪は、国の職員の仕事であり、または、国の許可、支援または同意を得て行為する人またはグループによりなされ、当該自由剥奪を認めることが否定され、法の保護を奪われて、失踪した人の運命または居場所が隠蔽される場合、人の強制された失踪とみなされる。
⑦ 拘禁にかんする国際規則に違反して、他人を、その自由を奪って拘禁した場合、8年から12年の禁固刑。
 拘禁が15日未満のときは、1段階低い刑が科される。
⑧ 庇護または管理の下に置いていた人に深刻な拷問を加えた場合、4年から8年の禁固刑。深刻でなかった場合、2年から6年の禁固刑。
 本条の効果のために、人を肉体的または精神的苦痛に服さしめることは、拷問とみなされる。
 本号に規定される刑は、被害者の他の権利に対する侵害に、場合に応じて、対応する刑を害しないで、科される。
⑨ 第187条第1項に規定される売春に関する行為のなんらかを犯した場合、4年から8年の禁固刑。第188条第1項に規定される場合では、6年から8年の禁固刑。
 人をある場所から他の場所へ、その性的搾取の意図で、暴力、威嚇または詐術を用いて、または、優越性または被害者の窮乏または脆弱性を濫用して、移送する者には、6年から8年の禁固刑が科される。
 前段および第188条第1項に規定される行為が、未成年者または無能力者に犯されるときは、1段階高い刑が科される。
⑩ ある人を奴隷状態に服さしめた、または、その状態に維持した場合、4年から8年の禁固刑。この刑は、人の権利に対して犯された具体的侵害に、場合に応じて、対応する刑を害しないで、科される。
 (人を)買う、売る、貸すまたは交換するという、所有権の属性の全部またはなんらかを、事実上(の場合)を含んで、他人が人の上に行使する、その人の状況は奴隷状態とみなされる。
3. 前項に規定される全ての場合、犯罪の深刻さおよび犯行者に伴う事情に比例的に留意して、判決でその場合に応じて科された自由剥奪刑の期間より3年から5年長い期間の教育職業または職務について、教育、スポーツおよび余暇の分野で、個別的公権剥奪刑がさらに科される。

 

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

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スペイン刑法典(2015年版)