7章の2 人身売買の

177条の2
1. スペイン国内において、または、スペインから、通過中、または、スペインに向けて、暴力、威嚇または詐術を用いて、または、スペイン人または外国人被害者の優越、困窮または脆弱の状況を濫用して、または、被害者を支配する者の同意を得るための代金または利益の授受によって、次のなんらかの目的をもって、それらの人たちの上の支配の交換または移転を含め、被害者を捕えた、運搬した、移送した、収容した、または、受け容れた者は、人身売買犯として、5年から8年の禁固刑に処せられる:
a) 労働または強制役務の賦課。奴隷状態。奴隷、召使いまたは物乞いと同様な業務遂行。
b) ポルノを含め、性的搾取。
c) 犯罪活動実行のための利用(explotación)
d) その身体臓器の抽出。
e) 強制婚姻の挙行。
 問題になっている人が濫用に服する他に実際的または受容可能な選択肢を有しないとき、困窮または脆弱の状況が存する。
2. 前項の手段のなんらかに訴えないときでも、利用(explotación)目的で未成年者について実行されたときは、前項に規定されるなんらかの行為は人身売買とみなす。
3. 本条第1項に規定される何らかの手段に訴えたときは、人身売買の被害者の同意は関係しない(irrelevante)
4. 次の場合、本条第1項に規定される刑より1段階高い刑が科される:
a) 犯罪対象者の生命、身体または精神を危険に置いた。
b) 被害者が疾病、妊娠、無能力または人的状況の理由で特に脆弱である、または、未成年者である。 
 2個以上の事由が伴った場合は、刑はその下限を半分上回らせて科される。
5. 犯罪行為を、官署、官署の職員または公務員の地位を用いて実行した者は、本条第1項に規定される刑より1段階高い刑および6年から12年の絶対的公権剥奪刑が科される。更に、本条第4項に規定されるなんらかの事由が伴った場合は、刑はその下限を半分上回らせて科される。
6. 有責者が、当該活動実現に従事する2人以上の組織または団体に、一時的であっても、所属していたときは、本条第1項の規定される刑より1段階高い刑および職業、職務、諸事業活動について(禁固)刑の期間で個別的公権剥奪刑が科される。更に、本条第4項に規定されるなんらかの事由があった場合は、刑はその下限を半分上回らせて科される。本条第5項に規定される事由があった場合は、同項に規定される刑がその下限を半分上回らせて科される
 当該組織または団体の長、管理者または責任者については、刑はその下限を半分上回らせて適用され、直上の段階の刑(pena inmediatamente superior en grado)に上げることができる。いずれにしても、本条第4項に規定されるなんらかの事由があった場合、または、本条第5項に規定される事由があった場合は、刑は直上の段階の刑に上げられる
7. 第31条の2の規定に従って、法人が本条に含まれる犯罪に責任があるときは、獲得した収益の3倍から5倍の罰金刑が科される。第66条の2の規定に留意して、裁判官または裁判所は、同様に、第33条第7項のb)からg)号に規定される刑を科すことができる。
8. 人身売買罪を犯すための扇動、共謀および教唆は、対応する犯罪の刑より1または2段階い刑に処せられる。
9. いずれにせよ、本条に規定される刑は、第318条の犯罪、および、対応する(搾取)利用の構成犯罪を含めて、実際実行されたその他の犯罪に対応する刑を害することなく、科される。
10. 本条に規定される犯罪と同様な性質の犯罪に対しての外国裁判官または裁判所の有罪宣告は、先行する刑がスペイン法に従って取り消された、または、取り消され得る場合を除いて、累犯の効果をもたらす。
11. 本刑法典の一般規定の適用を害することなく、人身売買の被害者は、蒙った(搾取)利用の状況下で犯した刑事違反に対する刑を、その刑事違反への参加が(被害者が)服していた暴力、威嚇、詐術または濫用の状況の直接の結果であり、その状況と実行された犯罪行為との間に相当な釣り合いがある場合は、免除される。

 

標題ページへ戻る

通訳案内士(元司法書士) 古閑次郎

スペイン刑法典(2015年版)