1970年4月4日の狩猟法
第1章:一般原則
第1条:(本法の目的)
本法は、国の狩猟資源(riqueza)の保護、保存および助成、並びに、影響を受ける種々の利益と調和してその整然たる利用を規制する。
第2条:(狩猟行為)
人が、仕掛け、武器または本法で獲物(piezas de caza)と定義された動物を、それらを殺す、それらを占有する、もしくは、第三者による捕獲を容易にする目的で、探し、引き寄せ、追跡し、もしくは、追立てるために適当な手段を用いてなされた行為は狩猟行為とみなされる。
第3条:(狩猟者)
1. 狩猟権(or狩猟する権利)は、狩猟許可を持ち、本法が規定するその他の要件を満たす14歳以上の者全てに属する。
2. 親権解放されていない未成年者が狩猟許可を得るには、法定代理人の文書での承認を要する。
3. 火器銃砲、空気銃または他の圧縮ガス銃で狩猟するには、刑事成年に達しっているか、成年者である他の狩猟者と同伴することを要する。
4. 特別な許可が必要な武器または手段を使用するには、対応する許可証の携帯を要する。
第4条:(獲物)
1. 野生動物、および、本法施行規則の中に含められるべきリストに記載される家畜でその家畜性を失った動物は、獲物である。
2. 獲物たる地位は、家畜化された野生動物には、その(家畜の)状態を保っている限り適用されない。
3. 獲物は、大型獲物(Caza Mayor)と小型獲物(Caza Menor)の2つのグループに分類される。大型獲物には、山羊、鹿、のろ鹿、黄鹿、猪、大山猫、狼、野羊、熊、かもしか、その他農業省が指定する動物が該当する。小型獲物には、大型獲物として前に定義された動物を除いて、本条1項に係るリストに記載されたものが該当する。
第5条:(狩猟武器)
狩猟武器の保有と使用に関しては、特別法の規定は別として、本法の規定に従う。
第6条:(権原)
狩猟地に関する限り、本法に設定される権利・義務は、獲物(*1)の利用(権)の使用収益権を持っている(土地)所有者、または、(土地の)他物権(*2)もしくは債権(*3)の名義人に対応する。
(*1 Caza には狩猟の意味と、獲物の意味がある。以後、文脈に従って使い分ける。)
(*2 例えば、土地の用益権。) (*3 例えば、土地の賃借権)
第7条:(主管省と管轄)
1. 本法履行のため、具体的活動について他の行政各部に明示的に付与された管轄権は別として、農業省が国の行政を代表する。
2. 本法で追求される目的達成に必要な業務を推進・実現すること、獲物の生存に影響を与える要素を分析・研究すること、および、獲物の育成および狩猟地の再入植に民間活力を刺激することは、農業省が、自身で、または、山岳(or森林)・狩猟・河川漁猟総局に附属する、農業省の自治組織である内陸性漁猟・狩猟・国立公園サービスを介して管轄する。
第2章:土地、狩猟およびその実施
第8条:(分類)
1. 本法のために、土地は、共同狩猟利用土地になることができ、または、特別狩猟制度(Régimen cinegético especial)に服させることができる。
2. 国立公園、狩猟避難地、狩猟国立保留地、安全地帯、狩猟(指定)地(Cotos de Caza)、(柵・垣で)囲われた土地および狩猟調節制度に指定された土地は、特別狩猟制度に服する土地である。
第9条:(共同利用狩猟地(Terrenos cinegéticos de aprvechamiento común))
共同利用狩猟地では、本法およびその規則で定められた一般的制限以上の制限なしに狩猟を行うことができる。
第10条:(国立公園)
山岳(or森林)法制の下で設立された国立公園では、狩猟の実施は、各公園での使用・収益を規制する規定に従う。
第11条:(狩猟避難地(Refugios de Caza))
1. 政府は、生物学的、科学的または教育的理由により特定種の狩猟動物の保存を確保することが必要なときは、政令により、国立狩猟避難地を設立することができる。これらの避難場所の管理は、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの仕事である。
2. 公法的組織およびその目的が文化または科学である私的組織は狩猟避難地の設置を推進することができる。設置許可は農業省の管轄であり、利害関係のある所有者とスポンサー組織との共同申請による。当該避難地は、設置目的に従って、生物学施設または動物学施設の名称を付することができ、一般的規定および農業省が各具体的場合に定める特別規定に留意して、その設置推進組織が管理する。これらの避難地の設置が科学的または教育的理由に基づくときは、農業省が、教育・科学省の意見を聞いて、当該特別規定を定める。
3. これらの避難地では、その状況がいかなるものであっても、狩猟は恒久的に禁止される。しかしながら、特定固体の捕獲または削減を促進する生物学的、技術的または科学的事由が存在するときは、それらを内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスが調整することができる。
第12条:(国立狩猟保留地(Reservas Nacionales de Caza))
1. その自然的・生物的分野の特別特性が例外的狩猟財産の中心地の設置を許している地域には、国立狩猟保留地を設置することができる。それらは、いずれにしても、法律により設置されなければならない。
2. 当該国立保留地では、種の保護、保存および助成業務は農業省に属する。狩猟の実施はその設置法律の規定に合致させなければならない。
第13条:(安全地域(Zonas de Seguridad))
1. 本法のために、人およびその財産の適切な保護を保障する特別な予防措置を採用すべき地域は、安全地域である。
2. 公共利用の道路、牧道、鉄道、公水域、その川床と岸が含まれる、航行運河、都市・農村の中心地および居住地帯とその近辺は安全地域とみなされる。別荘、庭、公共利用の公園、スポーツ施設およびその他の場所で本条1項の規定により安全地域と宣言された場所も安全地域とみなされる。
3. 安全地域、また、狩猟行為が家畜またはその飼育に害を与える可能性がある場所では、場合に応じて、狩猟武器の使用は規則で禁止または条件付けされる。
第14条:(狩猟調節制度(Regimen de Caza Controlada)に服する地域)
1. 共同利用狩猟地の上にのみ設定される地域で、その豊かな狩猟資源の保護、保存、助成および利用が農業省が承認する計画に適合しなければならない地域を、狩猟調節制度に服する地域と称する。
2. 狩猟調節制度に服する地域の指定は農業省に属する。農業省は、自身で、または、農業省の協力狩猟者団体を通して、これら地域に住む獲物の利用を調節・規制する任に当たる。
3. ある協力団体により調節される狩猟地では、その団体外のスペイン人狩猟者および在住外国人への狩猟許可の数は、各許可の料金がその協力団体の加入狩猟者が支払う額の倍を超過することなしに、その総数の1/4を下回らない数だけ留保される。
4. 本制度に服する土地上の権利の名義人、および、場合によっては、対応するローカル狩猟(指定)地に含まれる土地の名義人は、残りの団員が負担する分担額の75%を超えない分担金を支払って、利害関係を有する協力団体の一部を形成することができる。複数の協力団体間での条件を等しくするためにローカル的性格の団体は、本法が考慮する活動を展開するために特恵を持つ。
5. これらの土地を狩猟上調節することで生じる利益は、あった場合、第17条第8項に規定する収入に積立られる。その収入項目がない場合は、狩猟土地(or狩猟権)の名義人間に、その者の土地の面積に比例して分配される。
6. これらの土地が狩猟調節制度から影響を受けないようにするために必要な条件は、規則で決定される。このために、土地を当該制度に指定する期間は、小型獲物または大型獲物に対応して、それぞれ6年または9年超となることを考慮しなければならない。
第15条:(狩猟(指定)地(Cotos de Caza))
1. 内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの決定により狩猟利用が可能と宣言され、承認された土地の連続した地面を、狩猟(指定)地と称する。
2. 前項の規定のために、川、小川、公共利用の道路、鉄道、運河または他の同様な構造物が存在しても、指定地域形成可能な土地の連続性は中断されていないものとみなされる。
3. 狩猟(指定)地にはプライベート狩猟(指定)地(第16条)またはローカル狩猟(指定)地(第17条)があり得る。場合によっては、本法第18条(公共狩猟(指定)地)に規定される地位を持ち得る。
4. 狩猟(指定)地の宣言は、利害関係のある(本法第6条の)名義人または(第17条の)スポンサーの要請でなされる。
5. 狩猟(指定)地の設定が他の狩猟、公共または私的利益を害するときは、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスは、県の狩猟審議会および影響を受ける組織・人の意見を聞いて、報告書と共に関係書類を山岳・狩猟・河川漁猟総局に上げる。当該総局は、適当と判断すると、内陸漁猟・狩猟・国立公園審議会の意見を聞いて、(指定)地の設置に必要な承認を拒否することができる。この決議に対しては大臣に上訴を提起できる。
6. 狩猟(指定)地では、獲物は、整然たる方式で利用され、保護・助成されていなければならない。
7. 渡り鳥の通路地または泊地がある狩猟(指定)地では、これらの鳥の狩猟利用は、農業省が承認する計画に適合しなければならない。この計画では濫用的利用を避けるために必要な条件が定められる。
8. 狩猟(指定)地は、規則で定める標識をその境界で外部に示さなければならない。
9. 狩猟(指定)地がその保護、助成および整然とした狩猟利用の目的を履行しないときは、農業省は、利害関係人の聴聞と地方・県の狩猟審議会の報告が必要的な適宜の審理開始を先行させて、その設置を承認した宣言を取消すことができる。
10. 狩猟(指定)地の狩猟利用(権)の転貸契約は禁止され、無効である。同様に、本法の庇護を受けて締結された賃貸借契約の有償または無償での譲渡、または、本項で禁止された目的を達成しようとする他の法律行為(or類型)は、無効である(?)。
第16条:(プライベート狩猟(指定)地)
1. 本法第6条に係る所有者または名義人は、本条の規定に従ってプライベート狩猟(指定)地を設置することができる。
2. これらの(指定)地を構成する土地は、一人またはこの目的を持って任意に参加した複数の所有者に属することができる。その所有権が不分割で複数の共有者に属する土地については、(指定)地に編入されるためには、民法第398条に規定される過半数の一致が必要である。
3. これらの(指定)地を設置するための(構成土地の)最小面積は、(構成土地が)単一名義人に属するときは、狩猟の主たる対象が小型獲物の場合は、250ha、大型獲物の場合は、500haである。これらの(指定)地が複数の名義人の組合により設置されているときは、小型獲物の場合は、500ha、大型獲物の場合は、1000haである。
しかし、唯一の狩猟可能動物が毛の小型獲物(caza menor de pelo)である地帯では、農業省は、土地面積が20ha以上の場合は、単一所有者のプライベート狩猟(指定)地の設置を承認することができる。同様な状況で、水鳥の場合は、影響を受ける水域の全体をその面積に含めて、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの建議で農業省が面積を減少できる例外的場合を除いて、最小面積は100haである。
島嶼地方では本条で定める面積を農業省は、特別の狩猟事由があると、減じることができる。
4. プライベート狩猟(指定)地の所有者または名義人は、その総面積が初期の(指定)地の10%を超えない、嵌り込み地の付加を農業省に請求することができる。このために、利害関係人間で合意に至らない場合は、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスが、農業省への上訴の道を残して、賃貸借の条件と価額を示す。狩猟(指定)地とその周囲が3/4以上隣接する小土地は嵌り込み地と考えられる。但し、ひとつのプライベート狩猟(指定)地設置に要求される最小面積以上の単一名義人の土地には適用されない。
5. 単一名義人のプライベート狩猟(指定)地では、狩猟権の行使は本人およびそれが許可する者に属する。
6. 隣合う土地の所有者の組合により構成されるプライベート狩猟(指定)地では、狩猟権の行使、組合の特質と組織、場合によっては、賃貸借の期間と特約、または、利用の譲渡は、農業省の承認に服さなければならない。
第17条:(ローカル狩猟(指定)地(Cotos de Caza Local))
1. 市町村役所、小規模地方自治体および耕作者・牧畜者の組合結社は、それらの各々の地域(término)内でのローカル狩猟(指定)地の設立に、(本法第6条に規定される名義人が)本条の規定の適用に関連するものに限ってそれら(つまり、市町村役所、小規模地方自治体および耕作者・牧畜者の組合結社)に代理権を付与することに任意に同意すると、本法第6条の名義人を共同で代表して、スポンサーとなることができる。国、公法・私法団体および私人は自己の土地を、これら(指定)地の一部を形成するために持寄ることができる。公共利用と分類されている山岳(or森林)も(指定)地の一部を形成できるが、この場合、この特定問題について現在有効な規定から派生する特別な権能は別として、農業省の明示の同意が必要である。
2. ローカル狩猟(指定)地の面積は、それぞれ、小型獲物については500ha以上、大型獲物については1000ha以上でなければならず、また、嵌り込み地を含んで、その(市町村等の)地域(término)の75%を超えてはならない。但し、正当事由があるときは、農業省は、スポンサー組織の理由付き(or詳細な)申立てを先行させ、対応する地方・県の狩猟審議会の意見を聞いて、当該制限を変更することができる。
3. (複数の)スポンサー組織の共同の建議を先行させ、地方・県の狩猟審議会の意見を聞いて、複数の隣合う地域(término)により形成されるローカル狩猟(指定)地の設置を、各市町村または組合結社が持寄る面積が前項に定める75%を超えない条件で、承認することができる。
4. 本条第1項の規定に係わらず、あるローカル狩猟(指定)地に特別狩猟制度に服しない、その全面積が(指定)地の1/4を超えない、嵌り込み地が存在するときは、農業省はスポンサー組織の建議で、これらの嵌り込み地に同じ権利義務を適用させてその(指定)地の一部を形成することに同意することができる。
5. あるローカル狩猟(指定)地を構成する土地の狩猟利用(権)の(売買等の)契約および入札は、その土地全部で、または、小型獲物では500ha、大型獲物では1000ha以上の複数の土地区画に分けて、地方制度法の規定に従って利害関係のある市町村役所、地方自治体または同業者の組合により実行され、場合によっては、同業者の組合に係ると、公売を先行させて実行される。利用に適用される技術的条件は農業省が定める。影響を受ける市町村が複数ある場合は、公売は土地の持寄りが一番多い市町村で実施される。両方の場合、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスは、第18条4項の規定の先買権を留保する。
6. ローカル狩猟(指定)地では、狩猟権の行使は、利用(権)の取得者(or落札者)、または、それらが許可する者に属する。
7. ローカル狩猟(指定)地の狩猟利用(権)の賃貸借契約の期間は、小型獲物では6年以下、大型獲物では9年以下にすることはできない。
8. 収益の総額(つまり、ローカル狩猟(指定)地の狩猟利用(権)付与の価額)から、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの(同局自身またはその規制と技術的指導の下で)自己の市町村領域内での狩猟助成に投資するために、10%が控除される。スポンサー組織と影響を受ける所有者との間に別段の合意がない場合は、市町村役所のために10%、同様に、耕作者・牧畜者の地域組合のために10%が控除され、それらは地域農業の利益に排他的に資するため当てられる。残余は(第6条の)名義人の間に、それらの土地の面積に比例して分配される。
9. 自己の土地をローカル狩猟(指定)地に含めさせるために提供した者は、それらの土地が本条2項の適用で(指定)地の一部を形成しない場合でも、前項が規定する経済的利益を享受する。
10. ある既存のローカル狩猟(指定)地の一部を形成する土地内で、プライベート狩猟(指定)地を設置しようとする場合は、利用(権)の賃貸または譲渡(つまり、狩猟利用(権)の付与)の終了の日の1年前にスポンサー組織に告知しなければならない。反対の場合は、新たな利用順番が経過するまで、この権利を行使することはできない。
第18条:(ソーシャル狩猟(指定)地(Cotos Sociales de Caza))
1. 狩猟したい全スペイン人に、機会均等の理念の下、狩猟できるようにする施設を、狩猟のソーシャル狩猟(指定)地と称する。
2. ソーシャル(指定)地での狩猟は、動物の保全・助成の確保に必要な措置を前もって採用し、狩猟許可を申請して各場合に設定される規則を遵守する狩猟者が狩猟の機会を得ることができるように規制される。
3. ソーシャル(指定)地の管理は内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスに属する。同サービスは、本法で同サービスのために制定される収入の25%を下回らない年額を、その設置と保全に当てなければならない。
4. ソーシャル(指定)地は、次の土地の上に設置することができる;
a) 政令により国の土地およびその自治機関の土地の上に。これらの土地が農業省に属するときは、そのソーシャル(指定)地への指定は省令でなされる。
b) プライベート(指定)地を形成する、または、形成しない土地の上に。(土地の)名義人の提供により、または、当該サービスの直接の契約により、当該目的のために同サービスの処置に服することができる土地で。
c) ローカル(指定)地を形成する土地の上に。このために、同サービスのために先買権が設定される。
5. ソーシャル(指定)地での狩猟許可の料金は、それで得られる収入がソーシャル(指定)地の設置およびその狩猟資源の適切な保護、保全および助成に資するために必要な費用の総額の80%を超えないようにして、同サービスが定める。
6. その利用がスペイン市民に留保されている、これらのソーシャル(指定)地では、許可の半分は優先的にこの(指定)地が存する県の住民である狩猟者に付与される。これらの許可の料金は、住民でない狩猟者が支払う料金の75%を超えることはできない。
7. あるソーシャル(指定)地に、特別狩猟制度に服していない(面積が設置されたソーシャル(指定)地の35%を越えない)嵌め込み地が存するときは、農業省は、当該嵌め込み地がソーシャル(指定)地の一部を形成することを決定することができる。その嵌め込み地は当該(指定)地に組み込まれた土地と同様な権利・義務を持つ。
影響を受ける土地が市町村および県に属している場合は、所有者団体の事前の報告が必要である(?)。
第19条:((柵・垣で)囲われた土地)
1. 本法の目的のため、囲われた土地とは、他の人または動物のアクセスを妨げる、もしくは、禁止する目的で、または、自己の動物が逃避するのを避ける目的で建設される土塀、かこい、柵、垣またはその他の工作物もしくは仕掛けで実質的に囲われた土地を言う。
2. 他の特別狩猟制度に含まれていない、囲われた土地では、次項の場合を除いて、狩猟は永久に禁止される。
3. 通行可能な通路を介して侵入することができる、田舎の囲われた土地は、狩猟目的のためには、所有者が張り紙または標識で侵入禁止を明示している場合を除いて、開かれた土地とみなされる。この規定は、第13条2項に述べる別荘、公園およびスポーツ施設には適用されない。
4. 狩猟利用が可能な囲われた土地は、その囲い場が規則に定められる条件を満たし、適法に標識設置されている場合は、狩猟(指定)地になり得る。
5. 農業省は、利害関係者の申立で、または、職権で、特別狩猟制度に含まれていない、囲われた土地に住む獲物を、それが囲い場内部の耕作地または隣接土地の耕作地で害を及ぼしているときは、減少または排除(or殺害)する措置を採ることができる。
6. 第40条1項に関連する当局および職員は、本法の規定の履行を監視するために田舎の囲われた土地に立ち入ることができる。
第20条:(国の土地、公共水域、通行運河と道、分類された山岳(or森林)、軍事関連地域)
1. 特別狩猟制度に服する国所有の土地に住む獲物の管理は農業省に属する。また、公共水域を狩猟目的および狩猟利用に設定することも、その特性が或る特別狩猟制度をそこで適用するように推奨すると、農業省に属する。このために、水産省または公共事業省の報告が、水域の管轄に応じて、求められる。
2. 地方公共団体に属するプライベート狩猟(指定)地を形成している山岳(or森林)に住む獲物の利用は、山岳(or森林)法および地方制度法の規定に従って実行されなければならない。
3. 関係する省と農業省の共同の建議で、政府は、狩猟が禁止される、または、特別に規制される軍事関連地区を指定する。
4. 高速道路、道路および牧畜道では、同じく、特別狩猟制度に服する土地を通るまたは境界を形成する、河川の川床、小川および運河では、狩猟の実施は、各々の場合に、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの許可を得なければならない。
第21条:(耕作地の保護)
1. 野菜畑、果樹畑、オリーブ畑、ぶどう畑、灌漑耕作地および最近再入植された山岳(or森林)では、耕作者・牧畜者の国立組合と合意して内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスが示す、時期と条件でのみ狩猟することができる。不一致の場合は、農業省が、内陸漁猟・狩猟・国立公園審議会の意見を聞いて、解決する。
2. 本条1項に示されていない他の耕作地が存する土地では、本法で設定される一般的制限以外の制限なしに、狩猟することができる。しかしながら、農業省は、農業または気象の特定の状況が競合して発生するときには、影響を受けかねない耕作地の適切な保護を確保する目的をもって、狩猟の実施に条件を付ける、または、禁止するために必要な処置を命じる。
3. 収穫物が刈取られている土地では、麦の束、または、小束がその土地にあったときでも、各獲物に定められる禁猟期間または条件に従って異なる種を狩猟することが許される。但し、麦の束、または、小束を踏みつけること、または、置かれていた場所から移動することは禁止される。
第3章:獲物の所有権
第22条:(獲物の所有権)
1. 狩猟行為が本法の規定に合致しているときは、狩猟者は、先占(ocupación)により獲物の所有権を取得する。獲物はその死亡または捕獲時から先占されたものと解される。
2. 狩猟許可された土地で獲物を傷つける狩猟者は、その獲物が他人の所有土地に逃げ入るとしても、それを獲得する権利を有する。その他人の土地が、囲われた土地、または、特別狩猟制度に服する土地であるときは、土地所有者、利用の名義人またはそれらを代理する者の許可を必要とする。立入り許可の付与を拒否する者は、傷ついた、または、死んだ獲物を、それが発見され、捕らえることができると、引渡す義務を負う。
3. 特別狩猟制度に服する、開かれた土地では、小型獲物については、獲物が境界から見えるところにおり、狩猟者が単独で狩猟道具を持たず、犬も連れないで、獲物を拾うために入るときは、前項の許可は必要でない。
4. 狩猟共同利用の土地で、一人または複数の狩猟者が一匹の獲物を追立て、追跡していたときは、他の狩猟者は、追跡している間は、その獲物を撃ち倒す、または、撃ち倒そうと試みることを控えなければならない。
5. 獲物を追立てた狩猟者が、犬または他の手段の助けの有る無しによらず、その跡を追っていて、獲得する合理的可能性を持っているときは、その獲物は追跡されていると解される。
6. 獲物の所有権について疑義があるときは、その地の慣習に従う。慣習がない場合は、小型獲物については、殺した狩猟者に属し、大型獲物については、最初に傷つけた者に属する。
第4章:獲物の保護、管理と利用
第23条:(禁猟、他の保護手段)
1. a) 農業省は、県の狩猟審議会および内陸漁猟・狩猟・国立公園審議会の意見を聞いて、一般禁猟命令を通して、スペインの種々の地域での種々の種に適用される狩猟の諸制限および狩猟期間を定める。同様に、適当な場合は、特別狩猟制度に服する土地の名義人を当該省の判断に従わせる特定の規則を承認する。
b) 国の官報での禁猟命令の公布は、狩猟可能期間の開始の30日以前になされ、各県の“官報”で再公布されなければならない。
2. 科学的関心がある種もしくは絶滅危惧種、農業への益種、指定された狩猟価値を有する全ての種の雌と子、および、スペイン国が調印した国際条約に係わる種は、特別保護の対象である。
3. 特定の動物が人に危険である、または、農業、牧畜業もしくは狩猟に害を与えるとみなされるべき地域と期間が定められる。また、それらの動物の減少に必要な手段を規定して、当該動物に対する防護手段が許可される。
4. a) 地方の慣習に従って、おとりを用いた鳩猟、定位(待伏せ)場所または浮動(待伏せ)場所からの鴨猟、伝統的手法で実施される鳩猟、追跡用猟犬を用いて実施される狩猟、騎乗で行う狩猟、鷹狩り、発情期にある特定種の狩猟および高い山脈(?alta montaña)と称される特別狩猟を規制するために必要な処置が公布される。
b) 山(or野)鳩の狩猟は制限的に規制される。
5. a) 農業省は、県の狩猟審議会の意見を聞いて、おとりを用いての発情期にあるヤマウズラ猟の実施を、各地域について狩猟可能期間が6週間を超えないようにして、規制する。
b) ヤマウズラのおとりを用いての狩猟(待伏せ)場所は、土地の状態がいかなるものであっても、最も近い狩猟境界から500m以上離れて設置しなければならない。
c) 雌ヤマウズラのおとりまたはその代わりになる仕掛けを用いての狩猟は禁止される。
第24条:(疾病と家畜の伝染病)
農業省は、管轄の総局を介して、特定地域に住む狩猟動物が伝染病やzoonocisの拡散原因となることを避けるために必要な措置を講ずる。
第25条:(利用の整備)
ある生物生態学的単位を形成する複数の大型獲物狩猟(指定)地が存する地域では、農業省は、第6条に係る名義人に共同して狩猟利用の地域計画を作成するように要請することができる。その計画がいったん承認されると、その規定の履行は義務的となる。農業省の要請に応えることなく計画提出期限が経過すると、農業省は、利害関係人をあらかじめ聴聞して、その計画をそれに義務的性格を持たせて制定できる。
第26条:(科学目的の狩猟)
1. 科学目的の鳥類・哺乳動物の狩猟および捕獲、並びに、繁殖者に、または、子動物の通常な発達に邪魔もしくは害となる、被保護種の巣、ひな鳥、巣窟、群体および飼養場所の調査・観察には特別な許可を要する
2. 当該許可の付与には、申請人の調査活動に直接関係する科学機関の好意的報告書を要する。
第27条:(企業・商業目的の狩猟)
1. 生きている、もしくは、死んだ獲物の産出・売却のような、狩猟動物の企業利用は、狩猟農場または狩猟のプライベート(指定)地で行うことができる。これらの場合、農業省の事前の許可を得ること、および、許可に定められた条件を満たすことが必要である。
2. 情報・観光省の観光企業・活動登録簿に登録されている観光狩猟性格の企業に係るときは、これら企業活動実施のためには当該省が要求する条件を証しなければならない。
3. 狩猟動物の商業化は、動物の出所とその捕獲時期を保証する目的を伴って、適切に規制される。
第28条:(猟犬と狩猟)
1. 共同利用の狩猟地または特別狩猟制度の土地での猟犬の利用および放たれた犬の移動は、規則で定める規定に従う。牧者や牧畜主がその家畜を監視・管理するために利用する猟犬は前節には含まれない。
2. 農業省は、スペイン猟犬の起源簿と対応する系統簿を整備して、我が国に生息する猟犬種の保存・助成を推進する。
第29条:(脚環が付けられた鳥)
農業省は、狩猟目的または科学上の目的をもって鳥の脚環に関連する計画・活動を指導し、また、脚環および印字道具(marcas)の調製、流通および受取に関する計画・活動を指導する。このために、関連する科学研究機関との然るべき調整を図る。
第30条:(大型獣の狩り(monterías))
第23条1.a)の最終句または第25条に規定される、特定規則の方式に包含されない土地での大型獣の狩りの実施は、当該種の保存・改良を確かにする目的をもって規則で定められる特別規範に適合しなければならない。
第31条:(獲物のための制限と禁止)
1.
禁猟期に狩猟すること。
2. 日の出前1時間から日没後1時間内に含まれる時刻以外で狩猟すること。この禁止は、規則で定められる特定方式の夜間狩猟には適用されない。
3. 異常事態発生日に狩猟すること。つまり、火災、家畜伝染病、水害、旱魃または他の原因により、動物がその通常の防御能力を剥奪された、または、特定の場所に集中せざるを得ない状況にある日。
4. 雪の日に狩猟すること。雪が地面を継続的に覆っているとき、または、雪により動物の防御能力が低下しているとき。この禁止は、規則で示す状況においては、高山の狩猟動物および渡り鳥の特定の種には適用されない。
5. 隠蔽手段として馬または車両を用いて狩猟すること。
6. 大型獲物および小型獲物に関して、追立てまたは山狩りができる特別狩猟制度の土地の外で、馬列で (?en línea
de retranca) 狩猟すること。
7. 第11条3項に規定される条件を持って、国立避難地および生物学術センター・動物学術センター地で狩猟すること。
8. 許可証を携行せずに、適法に標示されている、特別狩猟制度に服する土地に、狩猟武器、猟犬または狩猟用仕掛けを持って、立入ること。
9. 狩猟共同利用地において、狩り立ての方法により、または、狩猟者の2以上のグループを組み合わせて、もしくは、動物を疲労させる手段を使用して、狩猟すること。この禁止は、害獣減少目的の正当に許可され、調節された山狩りには適用されない。
10. 許可なしに、禁猟期に、野原を巡るときに、カバーをはずして、または、すぐ使えるようにした状態で狩猟武器を持運ぶこと。
11. 火器銃砲、空気銃または他の圧縮ガス銃でもって18歳に達していない者が、成年者である他の狩猟者と同伴しないで、狩猟すること。
12. 狩り立て、山狩り、または、大型獲物の狩猟をその資格で支援する、狩り立て人、山狩り人、助っ人(?secretaries)または猟犬使いが、武器をもって狩猟すること。
13. 規則書を交付されていないときに、または、その携帯なしで、狩猟すること。
14. 被保護種を狩猟または運搬すること。また、その(動物の)年齢もしくは性別が適法に許可されたものに適合しない、または、規制要件を満たしていない、動物を狩猟または運搬すること。
15. その方法を規制する処置を満たさないで、しゃこのおとりを用いて狩猟すること。
16. 再入植目的でない、巣窟および棲家の破壊、また、子動物もしくは卵の採取、その流通と売買。これらには農業省の許可を要する。
17. 他人の土地に住む獲物を、chantear、誘引、または、驚かすことになる行為。
18. 本法施行規則に詳述されている、獲物の捕獲または誘引に応用できる動物、武器、仕掛けもしくは製品を許可なしに使用もしくは所持すること。
19. 規定の標識を付けている伝書鳩および競技鳩または胸高鳩を襲う(or撃つ)こと。
20. 鳩を、その通常の(動物用)水桶で、または、適切にその位置が標示されている鳩舎から1000m以内で襲う(or撃つ)こと。
21. 規則で定められる時期に鳩舎を開け放しておくこと。
22. 本法の他の規定もしくは制限、または、本法施行規則に定められる他の規定または制限を履行しないこと。
第32条:(獲物の運搬と解放ち)
1. 生きた獲物を輸入、輸出、移送または解き放すためには、農業省の事前の許可を要し、規則で定める処置を履行することを要する。
2. 禁猟期では、明示の許可なしに、死んだ獲物を輸送、流通させることはできない。
3. 禁猟期での死んだ獲物の占有は、利害関係人がその出所を正当化できない場合は、違法とみなされる。
4. 生きた、もしくは、死んだ家畜の流通・売却は、その類似の野生動物と混同され易いときでも、常時、許される、但し、禁猟期間中は、規則で示される条件の履行を要する。
第5章:損害賠償責任
第33条:(損害賠償責任)
1. 本法第6条に定義される、狩猟利用(権)の名義人は、狩猟(指定)地に由来する獲物により引起される損害賠償の責任を負う。その土地所有者は補充的に責任を負う。
2. これらの賠償責任の追求は、組合により形成される(指定)地から派生する連帯の場合における責任の求償と同じく、通常の民事的法制の規定に合致する。
3. 避難地、国立保留地および国立公園に由来する獲物により引起される損害および狩猟調節地に由来する獲物により引起される損害には、狩猟利用(権)の名義人が責任を負い、補充的に、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスが負う。
4. 特定土地の農産物、林産物または牧畜産物が獲物から被害を受けている場合は、農業省は、当事者の申立てで、被害土地の所有者がその耕作地を保護するために狩猟的な非常措置を採ることを許可できる。
5. 狩猟者は、狩猟行為に起因する損害の賠償責任を負う。但し、その事実が単に被害者の過失もしくは怠慢に起因するとき、または、不可抗力に起因するときは除かれる。
第6章:許可と徴税
第34条:(許可)
1. 狩猟許可証は、記名かつ譲渡不能文書で、国内で狩猟実施するときは所持することを要する。
2. 鷹狩りの鳥、白いたち、雄ヤマウズラのおとりを用いての狩猟、または、狩猟目的の猟犬を所持するためには、特別許可を得ることを要する。
3. 狩り立て、山狩り、または、大型獲物の狩猟をその資格で支援する、狩り立て人、山狩り人、助っ人(?secretarios)または猟犬使いは、狩猟許可証を必要としない。
4. 農業省は、県の内陸漁猟・狩猟・国立公園本部(Jefatura)の事前の審理手続きで、狩猟許可証の発行を承認する。この許可証は毎年更新される。但し、その取得を容易ならしめるために、5ヶ年を超えない期間中に事前更新を許す施行規則の定型様式を備えなければならない。
5. 前項の規定にかかわらず、陸軍および海軍部の軍団司令官並びに空軍司令官は、利害関係人の事前の申請により、将官、隊長、士官、下士官、現役同視者、退役者およびSan Fernando王室・軍事勲章受賞者に、また、自身の事前の申請により、軍務中の兵に、無償・譲渡不能狩猟許可証を発行する権能を有する。また、治安警備隊の局長に、治安警備隊、一般警察および武装警察機関の構成員に関して、同じ権能が付与される。統計目的のため、当該当局は農業省に各行使期間中に発行した許可証の報告をする。
6. 農業省は、狩猟許可証付与に必要と考える能力考査試験を設定することができる。
7. 本法違反者として行政罰を受けた、狩猟許可証申請者は、課された刑の履行、または、罰金の支払を事前に証明しないと、許可の取得または更新はできない。
8. 法令で要求される要件を満足していると証明しない者には狩猟許可証を発行することはできない。
第35条:(登録と検印)
1. 農業省は、狩猟(指定)地の狩猟資格を証する年度登録証を発行する。その発行料金は富裕税として狩猟(指定)地に適用される負担の75%に等しい。ソーシャル(指定)地はこの登録証から除外される。
2. 農業省の検印で事前に刻印されていないと使用が許されない網、仕掛けまたは他の手段は本法の(施行)規則に詳述される。
3. 農業に害となる鳥類の商業的狩猟は、その都度、特別許可を要する。利害関係者は、対応する登録証を備えなければならない。その料金は譲与される利用(権)の価額の10%を超えることはできない。
第36条:(許可・検印の種類と料金)
1. 火器銃砲および他の許可された手段を用いての狩猟許可証。
a) 全国許可証。年毎で、全国土での狩猟に有効である。スペイン国籍の狩猟者と住民である外国人狩猟者は、500ペセタ。住民でない外国人狩猟者は、4,000ペセタ。
b) 地域許可証。年毎で、許可名義人の住所地の県内およびその隣接県での狩猟に有効となる。Baleares y Canarias(諸島)で発行された許可証は(イベリア)半島の全海岸県で有効である。スペイン国籍の狩猟者と住民である外国人狩猟者のみに発行される。21歳以上の者は、250ペセタ。21歳未満は、125ペセタ。
c) 一時的許可証。全国土で2ヶ月間(同じ期間延長可)有効である。住民でない外国人狩猟者のみに発行される。最初の許可証は、2,000ペセタ。延長分は、1,000ペセタ。
2. 火器銃砲を除く、許可された手段を用いての狩猟許可証。
これらの許可証には前項規定と同様な人的、時期的、場所的適用がなされる。料金は前項の各場合の半額となる。
3. 特別許可証
a) 鷹狩り鳥またはヤマウズラのおとりを用いての狩猟、500ペセタ。
b) 白いたちを用いての狩猟、一頭当たり500ペセタ。
c) 狩猟目的での一団の猟犬の所持、5,000ペセタ。
4. 検印、各25ペセタ。
第37条:(割増金)
害獣を除く、大型獲物の狩猟実施、ヤマウズラの追立て猟と鴨猟への参加、大雷鳥または野雁の猟には、許可証に割増金の印を押すことを要する。この料金は許可証料金の半額である。
第7章:狩猟の管理・警察
第38条:(経済上の措置)
1. 内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスは、その目的達成のために、国の一般予算中に計上される科目を利用し、また、賠償や寄付からの収入を利用する。
2. 本法第6章に規定される料金は対応する国庫の口座に入金される。徴収された料金の総額は、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの予算の収入中に組み込まれて、当該機関の費用を支弁するために当てられる。その予算は、1965年法律第31号の規定および補足規定に従って、大蔵省が承認する。
3. 本条に規定される収入全ては、国家管理・会計法および国家自治機関法の規定に従って、当該サービスが管理する。
第39条:(狩猟審議会と狩猟者協会)
1. 県および地方狩猟審議会は農業省と連結している。その設置、権限および機能は規則で規制される。
2. 各県には県狩猟審議会を設置しなければならない。その会長と副会長には、それぞれ、知事と内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの県の長が就任する。これらの審議会には、内務省、教育・科学省、情報・観光省および農業省、県狩猟連盟、農業組合会議所、狩猟者団体の2団体(1団体は、それらが存する場合は、協力者的配慮を持たなければならない)および狩猟(指定)地の名義人2名が代表派遣する。
3. 市町村域内または地方(comarca)では、その狩猟の重要性に鑑みて必要がある場合、地方狩猟審議会を設置することができる。これら審議会には、県狩猟連盟、利害関係のある市町村役所、耕作者・牧畜者地方組合、狩猟者団体および影響を受ける地域にある狩猟(指定)地の名義人が代表派遣する。
4. 農業省は、規則により、狩猟者団体が協力団体の資格を得るために満たさなければならない目的と要件を定める。
第40条:(狩猟の監視および警察)
1. 当局およびその職員、特に、治安警備隊、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの警備隊、国家森林警備隊、国家森林財産警備隊、狩猟動物国家保存・避難監視員、耕作者・牧畜者組合の地方警備公認(or宣誓した)監視員および海上警察職員は、その知ることとなる違反を告発して、本法規定を順守させる。
2. 公的警備隊の一部を構成していない、特別狩猟制度に服する土地または狩猟一般の監視に指定された者は、対応する行政当局が発行した、公認(or宣誓した)監視員の資格証を有していなければならない。また、その業務執行では、治安警備隊および内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの補助職員とみなされる。
3. 狩猟者協会は、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスが定める事前の考査で、公認(or宣誓した)狩猟監視員の指定を申請することができる。
4. 知事は、狩猟協力協会の建議で、また、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの事前の報告で、その市民・社会的徳性が証明された優良狩猟者を名誉狩猟監視員に指定することができる。
5. 狩猟監視員は、規則で定められるその業務徽章と目印が見えるようにしなければならない。
第8章:違反と罰
第41条:(種類)
本法規定の不履行は、犯罪、軽犯罪または行政違反を、本法でそのように評価されると、構成する。
第1節:狩猟の犯罪と軽犯罪
第42条:(狩猟犯罪)
1. 次の者は、犯罪被告人として、1月から6月の禁錮刑または5,000から50,000ペセタの罰金に処せられ、更に、狩猟許可証、または、2年から5年間許可取得資格が剥奪される;
a) 適法な許可なく、毒入り餌を使用した者。
b) ある土地の狩猟条件を示す張り紙または標識を、その条件について錯誤させるために、置き、取外し、または、変更させた者。
c) 火器銃砲、ガスまたは圧縮空気の銃器を用い、車もしくはモータのスポットライトまたは人工光を照射する他の道具の助けを得て、夜間狩猟した者。
d) 安全地帯でarmas rayadas(銃砲?)を不適切に使用した者。
e) 適法な許可なしに、特別狩猟制度に服する土地に、法令で禁じられた武器または道具を持って、侵入した者。
f) 適法な許可なしに、特別狩猟制度に服する土地で狩猟した者で、狩猟した獲物の価値が2,500ペセタを越えるとき。
g) 狩猟許可証が剥奪されて、または、確定判決もしくは確定行政決定により許可取得資格を剥奪されていて、狩猟した者。
h) 以前に本法規定の犯罪により2回、または、軽犯罪により3回確定的に罰せられていて、次条に規定する違反の一つを犯す者。
2. 本条1項のc)号の場合、裁判所は更に2月から3年間の運転免許の剥奪を決定することができる。
3. その業務または職務により狩猟を規制する規定を他人に履行させる義務を負っている者が犯した犯罪には、いずれにしても、その犯した犯罪に対応する最も重い罰が適用される。
第43条:(狩猟軽犯罪)
1. 次の行為の実施は、狩猟軽犯罪とみなされ、1日から30日の禁錮刑または250から5,000ペセタの罰金に処せられる;
a) その使用が規則に明示に許可されていない、航空機、自動車または他の移動手段から狩猟する行為。または、装填されていなくとも、カバーケースなしに、使用準備ができた銃器をそれらで運搬する行為。特別狩猟制度に服する土地内では、この禁止は、狩り立てまたは大型獲物の狩りがなされている間に、乗物からの狩猟行為、または、装填された銃器の乗物での運搬行為に限られる。
b) 適法な許可なしに、特別狩猟制度に服する土地で狩猟した者で、狩猟した獲物の価値が2,500ペセタを越えないとき。
c) 雨、雪、霧、光の欠如または他の同様な原因で可視性が減ぜられ、人またはその財産に危険を生じる可能性があるときに、狩猟すること。
d) 人が集まっている場所の近く、または、公的行為がなされているところで狩猟すること。
e) 掃射する銃器、または、消音機付きの銃器で狩猟すること。
f) (爆発物が)許可されていない弾薬または仕掛けの一部を形成するときに、爆発物を狩猟目的に使用すること。
g) 長距離armas rayadas(銃砲?)を用いて、馬列(?)で狩猟すること。
h) 安全地帯またはその近辺での猟銃の不適正な使用。
i) 許可されていない弾薬を用いての狩猟。
j) 被保護種またはその年齢もしくは性別が、それらが明らかな場合に、法令上許可されている年齢・性別に合致していない獲物を取引すること。または、法令上の要件を満たさないで取引すること。
k) 垣根もしくは柵に穴を開けること、または、仕掛け、落し穴、柵もしくは他人の獲物を得るために役立つ、または、役立つであろう装置を設置すること。
l) 獲物の保護または助成目的の設備を破壊または害すること。また、土地の狩猟制度を標示する標識や看板を破壊または害することで、これらの行為がその土地の狩猟条件または資格について錯誤を引起させる目的でなされなかったとき。
2. 狩猟軽犯罪の再犯は狩猟許可証の剥奪、または、1年もしくは2年間の許可資格の剥奪をもたらす。
第44条:
前2条で明示的に規定されていないものには刑法が適用される。
第45条:(管轄と裁判手続き)
狩猟犯罪および軽犯罪の裁判は、次の修正点を除いて、現行法規に規定された管轄規則に従って、刑事的性格の管轄機関に属する;
a) 有罪判決には狩猟資源の損害賠償の有無に関する明示の宣言がなされ、場合によっては、その額が決められる。
b) 狩猟資源への損害賠償を決めるために、県の内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの長へ報告が求められる。損害賠償を受けるべき者が決められない場合は、判決では、獲物の利益に直接反映する、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの業務または活動に投資するために、その会計に入れる処置が取られる。
第2節:狩猟の行政的違反
第46条:(定義)
本法またはその施行規則の規定で本法の第42条と43条に包含されていない規定に違反する自発的行為または不作為は狩猟行政違反を構成する。
第47条:(管轄と裁判手続き)
本法で行政的と定義される、違反の審理と処分(or決定)、および、狩猟資源に発生した損害の賠償の決定は、内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスを介して、農業省に属する。このために、次のことが考慮されなければならない;
a) これら審理手続きは一般的性格で行政訴訟法の規定に合致する。
b) これらの違反の告発権は公訴権であり、行われた日から2月で有効期間経過する。
c) 罰金は国に(大蔵省の)支払証券(papel de pagos)で支払われ、賠償は金銭で行政的に対応する内陸漁猟・狩猟・国立公園サービスの長の会計に支払われる。賠償額は損害を受けた人または組織が受取る。これらの者が不明なときは、獲物の利益に直接反映する事業または活動に利用される。
d) 罰金または賠償が法定期間内に満足されない場合は、行政上の強制執行によりその徴収手続きがなされる。
第48条:(狩猟違反の分類と罰)
1. 狩猟の行政違反は、適用可能な補足的措置を表示して、特に、管轄当局が発した許可、譲与もしくは宣言の取消し、撤回または剥奪に係る措置を表示して、重大、やや重大および軽微に規則で分類される。
2. 違反と罰のリストには本法第31条に列記されているものおよび次に係わるものが含まれる;
a) 本法第15条から20条までの規定の不履行。
b) 国立公園、狩猟動物国立避難地、生物学施設・動物学施設、狩猟動物国立保存地および特別狩猟制度に服する公水地域に適用される特定規則の違反。
c) 調節狩猟制度に服する土地に適用される特定規範の違反。
d) 耕作地の保護、害獣の規制、獲物の先占、流行病の予防および狩猟利用の商業計画に関して管轄当局が承認した措置の違反。
e) 科学目的の狩猟、獲物の産業開発または農業に害となる鳥類の商業目的を伴う狩猟のための特別許可に設定された条件の違反。
f) 次の事項に関する規定の違反;特定種の狩猟。特に規制された狩猟方法。缶詰、冷蔵または冷凍された獲物の商業化。生きた獲物の輸入、輸出、運搬または解き放ち。禁漁期での死んだ獲物の運搬、取引または所持。その類似の野生動物と混同され易い家畜の運搬。野原での犬の利用と移動。
g) 狩猟の安全または狩猟許可証、登録証、割増金もしくは検印の発行・所持・使用を規制する規則の違反。
h) 強制保険を契約し、有効に保つ義務の不履行。
3. 行政違反は次のように罰せられる;重い違反は3,500から5,000ペセタの罰金、やや重い違反は2,000から3,500ペセタの罰金、軽微な違反は250から2,000ペセタの罰金。これらの罰を課す決定に対しては、行政訴訟法に規定される不服申立てができる。
4. 本法の規定により行政庁が決定する措置の不履行に起因する罰金に関しては、これら罰金は、15日以下の期間で各5,000ペセタ、トータル50,000ペセタを超えて、反復して課すことはできない。
5. 重い違反とやや重い違反の再犯は許可証の撤収または2月から1年までの間の許可証取得資格の剥奪を伴う。
6. 農業省は狩猟行政違反で罰せられた者を登録する。
第49条:
狩猟行政違反で課される罰の量を修正する要因として次のものがある;
1. 行政違反の再犯は、最初の再犯は罰金額が50%増加する。2回目からの再犯は100%増加する。告発日から数えて5年以上前の違反は計算には入れない。
2. 一つの行為が2個以上の行政違反を構成するときは、重いほうの罰が、その上限で、課される。
3. 重い違反およびやや重い違反にかかわるとき、行政庁の裁量で、軽減事由が存する場合は、罰金額をその下限の50%まで減ずることができる。
4. 自己の業務または職務により狩猟行為を規制する規定を他人に履行させる義務を負っている者が犯した行政違反は、当該違反に対応する範囲の最大額を適用して罰せられる。
5. これらの場合、行政的に罰せられた違反者から武器が没収される。更に、許可証または2月から1年までの間の許可証取得資格が剥奪される。
第3節:没収と武器の回収
第50条:(没収)
1. 狩猟犯罪、軽犯罪または行政違反は、先占された、生きているもしくは死んだ、獲物の没収を伴う。
生きている獲物には、当該事実に係わる状況に応じて、規則で定める処置が取られる。死んだ獲物に関しては、地域の慈善センターに、それがない場合は、固有の目的に報いる市町村長に、受領書を通して、引渡される。
2. 違反を犯すために使用された、(投げ縄の形の)わな、(鳥をとる)わな、網および仕掛けは没収され、告発証拠として利用された後ですぐに適法使用物は公売され、違法使用物は破壊される。犬、捕獲鳥類、ヤマウズラのおとり鳥、白いたちのおとりに関しては、没収は、これらの動物の各一匹について1,000ペセタを超えない額の国への支払証券での支払で換えられる。
第51条:(武器の回収)
1. 武器の回収は、規則で特に定める場合に、受取書と引換えに(contra recibo)、また、対応する刑事警察署に直ぐに寄託するために、当局またはその職員により実施される。
前段に規定する場合、引渡しを要求された狩猟者が武器の引渡しを拒否することは、刑法第237条に規定する犯罪を構成するものとみなされる。
2. 無罪判決が確定すると、管轄当局は、事前に処分していない場合は、武器の無償返還を決議する。犯罪について有罪判決の場合は、裁判官は武器の没収を命ずるか、国への支払証券での2,500ペセタの事前の支払で返還を許可する。軽犯罪で罰せられる者は、同様に1,000ペセタの事前支払いで返還を受けることができる。行政罰の場合は、軽微な違反では武器の返還は無償で、その他の場合は500ペセタの事前支払となる。回収された武器が複数ある場合は、返還金支払は各武器についてなされる。
3. 没収された武器および取戻されていない武器については、刑法第48条の規定で処分される。
第9章:強制保険、狩猟での安全
第52条:(強制保険)
1. 武器を用いる狩猟者は、本法第33条5項に規定される人への損害賠償責任をカバーする保険契約を締結しなけれならない。賠償責任は、政府が強制保険の給付について規則で示す額に制限される。但し、当該制限に上乗せして、または、物損に対して刑法および民法の適用から派生し得る賠償は別である。
2. 保険株式会社または保険相互組合がこの種保険で利用しなければならない保険証券および保険料の決定並びに保険の共通規則制定は、農業省の意見を聞いて、大蔵省に属する。
第53条:(狩猟での安全)
狩猟者およびその協力者の安全に特別な予防処置の採用を勧める場合と状況において必要的に適用されなければならない措置は規則により規定される。
補足規定
方法第52条のために、大蔵省に、それが適当と思料する場合、既に設定された基金のいずれにも属させる保証基金の設立を認める。
暫定規定
1. 本法公布以前に取決められた狩猟賃貸借契約は、当該影響を受ける土地が本法の規定に従って対応する特別狩猟制度に収容されている場合に、約定された有効期間が切れるまで、効力を有する。反対の場合は、これらの契約の継続期間は、最大、本法発効の日から数えて1年で効力を失う。
2. 本法公布以前に狩猟(指定)地にされた土地で、第17条2項の規定適用により共同狩猟利用に向けられなければならない土地は、第14条で規定される狩猟調節制度では正しくそのようになり、また、狩猟利用計画を農業省が承認するまでは、その地位を取得しない(?)。
最終規定
第1条(発効日)
本法公布から数えて1年の最大期間内での本法を発効させる日の決定は、農業省の建議で、政府に権限が与えられる。本法発効以前に施行規則および本法のより良い展開に必要な規定を公布する。
第2条(国立狩猟(指定)地)
農業省、情報・観光省の共同の建議で、政府は、Gredos、Picos de EuropaおよびRondaの国立猟区が国立狩猟保留地の地位を取得するために必要な規定を定める。これらの保留地では、獲物の保護・保全・助成は、情報・観光省が公衆の利益に適当と(当該省が)思料する観光・スポーツの基準に従って狩猟利用(権)を管理する任務を留保して、農業省に委託される。
第3条(廃止条項)
本法発効日から次のものは廃止される: (省 略)
スペイン狩猟法関連資料
翻訳 司法書士 古閑 次郎(横浜市)