婚姻の様式には、裁判官または公務員の面前で執り行う民事婚と宗教上の儀式としての宗教婚があります。また、同性同士の婚姻も認められています。
夫婦財産契約は我が国では余りなじみがないものですが、スペインなどでは非常に重要な意味合いを持っています(取得財産共同体では、婚姻中に夫婦が得た財産は基本的に共有となり、一方が死亡すると、相続と言う形式ではなく、共同体の解消として夫婦財産の半分は生存配偶者に帰属します)。我が国では、私の物は私の物(あなたの物は私の物?)という風に基本的には夫婦別産制ですが(日本民法762条1項)、離婚するときは、不可思議にも共同財産になり、相手方に財産分与することになります。
別居は事実上の別居と裁判上の別居があります。また、離婚は、我が国のような協議離婚の制度はなく、裁判上の離婚しかありませんが、現在は簡単に裁判所に申し立てることができます。離婚事由は、我が国では法定されていますが(日本民法770条1項)、スペインでは2005年の民法改定以後は離婚事由は法定されていません。
以下に、スペインの婚姻、夫婦財産契約、別居と離婚について詳しく紹介します。
スペインの婚姻、夫婦財産契約、別居と離婚
司法書士 古閑次郎
神奈川県司法書士会
なお、本稿は、2008年頃の法律に依拠しています。